ベータ遮断薬投与における看護師の責務
ベータ遮断薬は狭心症、不整脈、高血圧などの治療に用いられる薬剤で、アドレナリン(エピネフリン)の作用をブロックし、心拍数を抑えて血管を拡張させます。処方は医師が行いますが、投与と効果のモニタリングは看護師の重要な役割です。本稿では、ベータ遮断薬投与時に看護師が留意すべきポイントを整理します。
病歴の確認
投与前に正確な既往歴を把握し、心疾患、肺疾患、糖尿病、肝疾患などの既往がある患者は副作用リスクが高まります。また、処方薬だけでなく、ハーブ製品や市販薬も含めた全薬剤リストを取得し、発疹・かゆみ・腫脹・呼吸困難といったアレルギー症状が出た場合は緊急処置を検討します。
評価(Evaluation)
ベータ遮断薬は心機能に直接作用するため、心臓の状態を継続的に評価します。呼吸困難、動悸、胸痛などの主観的症状のほか、顔の歪みや過度の発汗といった非言語的サインにも注意が必要です。副作用としては倦怠感、性欲低下、めまい、立ちくらみ、男性の性機能障害などが報告されています。
バイタルサインの測定
バイタルサインは患者全体の状態を把握する基本です。特に心拍数はベータ遮断薬の影響で低下しやすく、正常範囲は 60〜72 回/分です。50 回/分未満、呼吸困難、四肢のむくみなどが認められた場合は直ちに医師に連絡します。
血圧の管理
ベータ遮断薬は主に高血圧治療に用いられますが、血圧が過度に低下することもあります。成人の正常血圧は 120/80 mmHg が目安です。90/60 mmHg 以下の低血圧やめまい・失神が見られたら、速やかに医師へ報告してください。
以上の項目を体系的にチェックすることで、ベータ遮断薬の安全かつ効果的な投与を支援できます。
