母体の甲状腺機能低下症が新生児に及ぼす影響

甲状腺は代謝率を調整し、成長や発達を司ります。甲状腺機能低下症は甲状腺ホルモンの産生が不足する状態で、治療せずに放置すると母体の甲状腺機能低下が新生児に深刻な影響を及ぼすことがあります。

妊娠リスク

  • 重度の母体甲状腺機能低下症は子癇(妊娠中毒症)や胎盤異常、前置胎盤などを引き起こし、胎児に重大なリスクをもたらします。Olds' Maternal‑Newborn Nursingによれば、自然流産のリスクが約50%増加すると報告されています。

知能低下

  • 治療を受けていない母親の乳児の約3分の1で、知能指数(IQ)が著しく低下していることが確認されています。これは甲状腺機能が正常な母親の子どもと比べて約2倍の頻度です。

運動・歩行発達の遅れ

  • 妊娠中の母体甲状腺機能低下は、乳児の精神運動発達が遅れるリスクを高めることが示されています。

母体と胎児の併発性甲状腺機能低下

  • 母体と胎児の両方が甲状腺機能低下症である場合、単独の母体低下よりも症状が重く、重度のクレチン症(身体発育不全・極低IQ(約29))を引き起こすことがあります。

治療法

  • 妊娠中の治療は合成レボチロキシンによる甲状腺ホルモン補充が基本です。可能であれば妊娠前に甲状腺機能低下症を治療し、妊娠中も適切に管理することで、母体低下症の悪影響を防ぐことができます。

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