甲状腺疾患と不安障害

多くの人は甲状腺ホルモンのバランスが崩れると身体症状が現れますが、フロリダ大学のリチャード・C・W・ホール博士によると、甲状腺疾患患者の約2〜12%は最初に心理的症状を訴えます。そのうち不安障害は代表的な症状のひとつです。

原因

甲状腺ホルモンは体内のタンパク質合成や細胞・化学物質の形成に重要な役割を果たします。ホルモンが過剰または不足すると、脳内の神経伝達物質のバランスが乱れ、不安障害の症状が現れることがあります。

タイプ

甲状腺機能低下症(甲状腺機能低下)では、主に全般性不安障害(GAD)が見られます。一方、甲状腺機能亢進症(甲状腺機能亢進)では、パニック障害が起こりやすいと報告されています。

症状

全般性不安障害の典型的な症状は、絶え間ない不安、落ち着きのなさ、疲労、集中力低下、イライラ、筋肉の緊張や痛みです。パニック障害は、突然の激しい恐怖感や、明確な原因がなくても不安が急激に高まる発作が特徴です。

治療

甲状腺疾患に伴う不安障害の根本的な治療は、適切な薬剤で甲状腺ホルモンを正常範囲に戻すことです。必要に応じて、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)などの抗不安薬が併用されます。

診断時の留意点

2002年のマサチューセッツ総合病院とハーバード医科大学の研究では、一次性の不安障害やパニック障害と診断する前に、甲状腺機能検査を行うことが推奨されています。特に、体重減少や頻脈といった甲状腺機能亢進症状、または倦怠感や体重増加といった甲状腺機能低下症状がある場合は注意が必要です。

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