失禁治療の手順と選択肢
人工尿道括約筋(Artificial Sphincter)
人工尿道括約筋は、前立腺がんなどの手術で括約筋が弱くなった男性に埋め込む小型デバイスです。尿道括約筋は膀胱から尿が排出されるのをコントロールする筋肉で、これが弱ると失禁が起こります。
仕組み
デバイスは液体で満たされたドーナツ形の装置で、膀胱頸部の周囲に配置されます。通常は本来の括約筋を閉じた状態に保ち、排尿したいときに腹部皮下にあるバルブを手で押すと、バルブが開き尿が体外へ排出されます。
スリング手術(Slings)
スリング手術には、恥骨膣前部(pubovaginal)スリングや経膣(transvaginal)スリングなどがあります。自分の組織や合成素材(メッシュ等)を用いて、膀胱と尿道を支える「スリング」を作り、尿漏れを抑制します。
主なタイプ
- 恥骨膣前部スリング:自分の体組織を使用し、膀胱を支える。
- 経膣スリング:合成メッシュなどで膀胱・尿道・括約筋を固定し、正常な排尿を助ける。
膀胱頸部サポート(Bladder Neck Support)
膀胱頸部サポートは、膀胱頸部と尿道を持ち上げて支えるプロテーゼを膣内に装着する手術です。医師が装置を装着し、患者自身が日常的に取り外し・清掃を行います。清潔に保たないと膣内感染のリスクがあるため、医師の指示通りに管理することが重要です。
手術に伴う可能性のある合併症
外科手術には以下のような合併症が起こり得ます。
- 膀胱穿孔や尿道損傷
- 感染症(発熱・腹部腫脹・筋肉痛が続く場合は速やかに受診)
- 出血や腸管損傷
- 尿閉や残尿感
特に、102°F(約39℃)以上の高熱が2日以上続く、激しい腹部痛や筋肉痛が鎮まらない場合は、直ちに医療機関へ相談してください。これらは感染のサインである可能性があります。
