過活動膀胱の治療薬と使用方法

概要(識別)

過活動膀胱(尿意切迫失禁)は、膀胱平滑筋が不随意に強く収縮し、急に尿意を感じる状態です。尿の不随意な排泄として尿失禁の一種に分類され、成人約10人に1人が罹患しています。高齢者に多いものの、加齢そのものが原因とみなされることはありません。

薬物療法

過活動膀胱の薬は、膀胱平滑筋の過剰な収縮を抑える抗コリン薬が中心です。神経伝達を遮断し、膀胱の収縮回数を減らすと同時に、膀胱容量をやや拡大させます。代表的な薬剤は以下の通りです。

  • トルテロジン(商品名:デトルシトール、デトロールLA)
  • オキシブチニン塩酸塩(商品名:ディトロパン)
  • トロスピウム(商品名:サンクチュラ)
  • ダリフェナシン(商品名:エナベックス)
  • ソリフェナシン(商品名:ベシケア)

通常、投薬開始から約2週間で効果が現れます。

錠剤・カプセル

多くの薬は即放出型と徐放性(1日1回服用)があります。即放出型は、夜間や旅行など特定のシーンで尿意が強くなる人に適しています。

経皮パッチ

オキシブチニンは皮膚貼付型(トランスダーマルシステム)でも利用可能です。商品名は「オキシトロール(Oxytrol)」。薄く透明なパッチを腹部や臀部に貼付し、血中に持続的に薬剤を供給します。効果は約4日間持続し、1週間に2回程度交換します。

副作用

全ての抗コリン薬は作用機序が似ているため、効果と副作用の傾向も共通しています。最も頻度が高いのは口の渇きです。その他、便秘、頭痛、視力ぼやけ、眼の乾燥、血圧上昇、眠気などがまれに報告されています。妊娠中の使用や緑内障、腎・肝・胃疾患を有する方は、必ず医師に相談してください。

薬以外の治療法

薬剤に頼らず行える行動療法も有効です。

  • 排尿日誌の作成:尿意や失禁の時間・状況を記録し、パターンを把握します。これにより、適切な排尿タイミングを計画できます。
  • 骨盤底筋トレーニングとバイオフィードバック:筋力を高め、膀胱収縮を抑える感覚を身につけます。専門家の指導のもと行うと効果的です。

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