吐き気、下痢、嘔吐、体の痛み、寒暖が同時に感じられる…といった症状を経験したことがある人は多いでしょう。多くの場合「胃ウイルス」と呼びがちですが、実際には小腸を感染させる複数のウイルスが原因で、正しくは「ウイルス性胃腸炎(viral gastroenteritis)」と呼ばれます。以下では、代表的なウイルスとその特徴を紹介します。
ロタウイルス
ロタウイルスは世界中で最も一般的な小児感染症で、乳幼児の死亡原因の一つです。大人も感染しますが症状は軽いことが多いです。感染経路は、指や汚染された物を口に入れることが主です。主な症状は下痢、嘔吐、腹痛、発熱で、通常3〜8日間続きます。多くの国でワクチンが利用可能です。
アデノウイルス
49種類あるアデノウイルスのうち、1種類が胃腸管に感染し、嘔吐、下痢、腹部痙攣、発熱、頭痛を伴う「胃腸風邪」を引き起こします。感染は人から人への接触、糞便による汚染、汚染された食物や水、感染物の取り扱いで広がります。主に2歳以下の子どもに多く見られ、脱水予防のための点滴治療が必要になることがあります。
アストロウイルス
免疫力が低下した高齢者や乳幼児(5歳以下)に感染しやすいウイルスです。7種類があり、下痢や嘔吐といった胃腸症状を引き起こします。感染経路は人から人への接触、糞便汚染、汚染物の取扱いです。冬季に流行しますが、自然に回復する短期間の疾患です。
ノーウォークウイルス
全年齢で感染可能ですが、特に小児や成人に多く見られます。嘔吐、吐き気、腹部痙攣、下痢が主症状です。糞便を介した汚染や、汚染された氷、水、食べ物(特に二枚貝、生野菜、卵)が感染源となります。症状は2〜3日で自然に治まりますが、脱水症状が出た場合は点滴が必要です。
カリシウイルス(サポウイルス)
カリシウイルス科に属し、全年齢で感染します。特にサポウイルスは急性胃腸炎の典型的な原因ウイルスで、突然の発症と短期間の症状が特徴です。症状は吐き気、嘔吐、下痢、倦怠感、筋肉痛、頭痛で、曝露後1〜3日で現れます。
