肝炎のタイプを見分ける方法

肝臓は右上腹部に位置する大きな腺組織で、血液中の有害物質を除去し、栄養素を生成・加工する重要な臓器です。ウイルス、薬物、アルコールなどが原因で肝臓が炎症を起こすことを肝炎と呼びます。肝炎が進行すると肝硬変や肝不全、肝がんに至り、最悪の場合は死亡につながります。

肝炎のタイプ別症状と診断ポイント

1. A型肝炎(HAV)

汚染された食料や水から感染し、2〜6週間後に全身倦怠感、吐き気・嘔吐、右上腹部痛、食欲不振、体重減少、筋肉痛、低熱、かゆみ、濃い尿、下痢(小児が多い)、黄疸などが現れます。血液検査でウイルス抗体を確認し、診断します。多くは急性で完治し、免疫ができるため再感染は起こりません。

2. B型肝炎(HBV)

血液や体液を介して感染し、感染後約12週間で疲労感、食欲不振、吐き気、右上腹部痛、濃い尿、関節痛、黄疸が出ます。慢性化すると肝機能障害や肝がんのリスクが高まります。回復後は免疫が獲得されます。

3. C型肝炎(HCV)

主に血液感染で、初期は症状がほとんどありません。数年後に軽い発熱、筋関節痛、吐き気、食欲不振、右上腹部圧痛が出ることがあります。肝障害が進行すると倦怠感、黄疸、持続的な吐き気・嘔吐が現れます。6か月以内に自然にウイルスが除去されるケースは稀で、慢性化すると生涯ウイルスを保有し続けます。

4. D型肝炎(HDV)

デルタウイルスとも呼ばれ、B型肝炎ウイルスが同時に存在しないと増殖できません。B型肝炎患者が血液や体液を通じて感染します。初期は倦怠感、関節痛、吐き気、食欲不振、微熱、右上腹部痛があり、後期に黄疸が出ます。急性期は回復しますが、慢性化すると肝硬変のリスクがあります。

5. E型肝炎(HEV)

A型と同様に汚染された食水で感染し、潜伏期間は2週間〜2か月です。低熱、倦怠感、筋肉痛、吐き気、食欲不振、体重減少、右上腹部痛、淡い便、濃い尿が主症状で、最後に黄疸が現れます。

6. G型肝炎(HGV)

血液を介して感染し、特に頻繁に輸血を受ける患者や長期透析患者がリスクです。症状は軽度で短期間に収まりますが、重症例では肝障害を引き起こす可能性があります。

7. 薬剤性肝炎(毒性肝炎)

特定の薬剤(例:アセトアミノフェン過剰摂取)により肝臓が炎症を起こします。頭痛、吐き気、食欲不振、肝腫大、皮膚のかゆみ・発疹、発熱、筋肉痛、黄疸、濃い尿、粘土色便が見られます。原因薬剤の使用中止で数日〜数週間で改善します。

8. アルコール性肝炎

過度の飲酒が原因で、肝臓がアルコールを分解しきれず炎症が起こります。吐き気・嘔吐、食欲不振、右上腹部痛・圧痛、低熱、めまい・錯乱、腹水、黄疸が典型的です。軽症なら肝炎は自然に治りますが、肝硬変が進行すると肝不全へと悪化します。

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