ORFウイルス(伝染性皮膚炎)とは?
ORFウイルス(伝染性皮膚炎)は、パラポックスウイルス属に属する感染性皮膚疾患です。主に羊や山羊に感染しますが、すべての反芻動物が罹患し得ます。また、感染動物と直接接触した人間(特に生のヤギミルクを飲む子ども)にも感染し、自己限定的な痛みを伴う皮膚感染症を引き起こします。
症状と鑑別
ORFの皮膚病変は主に乳頭や口唇に出現し、足口病(FMD)と混同されることがありますが、FMDは蹄間や鼻先に病変が出ます。ORFでは口内や足裏に病変はほとんど見られません。
ウイルスの環境耐性と感染経路
ウイルスは羊舎や放牧地、使用された機器上で長期間生存できます。そのため、直接接触だけでなく、汚染された器具や犬などのファロモンを介しても拡散します。
動物間の伝播
感染した羊や山羊との直接接触が主な感染経路です。皮膚の切り傷や擦り傷からウイルスが侵入します。耳標やその他の機器が汚染されていると、二次的に拡散します。
ヒトへの感染
感染動物の開放性病変に触れることでヒトも感染します。感染後は最大2週間他者にウイルスを拡散できる可能性があります。症状が軽微でも感染源となり得ます。
子どもでは口腔内に病変ができる「ORF口炎」として現れ、手足口病と類似した症状を示すことがあります。特に冬から春にかけて生のヤギミルクを飲む機会が増える時期に多く見られます。
予防と対策
ORFは屋内飼育の動物ではまれで、主に屋外放牧の羊や山羊に発生します。環境中でウイルスが長期間生存できるため、屋内に入れる際は以下を徹底してください。
- 干し草、残餌、わら、糞などの廃棄物をすべて除去する。
- 鳥が持ち込むダニがウイルスを媒介する可能性があるため、清掃を徹底する。
- 病変のある動物は他の群れと隔離する。
- 感染動物や汚染された器具を扱う際は使い捨て手袋と防護靴を着用する。
人が感染を防ぐための具体的な対策は次の通りです。
- 感染動物との接触を避ける。
- 生のヤギミルクを飲まない。
- 農場で作業後は温かい石鹸と水で手を十分に洗う。
- 汚れた手で口や目に触れない。
感染が疑われる場合は、速やかに医師や医療機関を受診してください。
