創傷真空療法の使用手順
オハイオ州立大学の研究によると、慢性創傷ケアには年間約100億ドルが費やされています。糖尿病、潰瘍、外傷などが原因で生じるこれらの創傷は、治癒が困難です。真空閉鎖装置(V.A.C.)は、負圧を利用して創傷から余分な液体を除去し、血流を促進して治癒を助ける医療機器です。施術は繊細なドレッシング交換を伴い、資格を有する医療従事者が実施する必要があります。
必要なもの
- 使い捨て手袋
- 滅菌手袋
- 滅菌ガーゼ
- 滅菌生理食塩水
- 30‑60 ml 注射器
- 16‑18 G ニードル
- V.A.C. フォームドレッシングキット
- V.A.C. ドレインカニスター
- V.A.C. 本体装置
- 滅菌ハサミ
手順
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治療指示の確認
担当医師の指示(薬剤投与を含む)を必ず確認し、治療開始30分前に前投薬を行い、患者の不快感を軽減します。
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機器と材料の配置
V.A.C. 本体を患者の近くの水平な場所に置き、使用順に材料を並べてスムーズに作業できるよう準備します。
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手指の洗浄と手袋装着
石鹸と温水で手をしっかり洗い、非滅菌手袋を装着します。
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患者への説明
患者が理解しやすい言葉で手順を説明し、安心させます。
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既存ドレッシングの除去
創傷を乱さないよう慎重に旧ドレッシングを取り除き、緑や黄の分泌物がある場合は感染の可能性を確認します。血液で浸湿している場合は頻繁に交換が必要です。廃棄は適切な生体廃棄物容器へ。
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創傷の観察と測定
疼痛、悪臭、紅斑、腫脹があるか評価し、長さ・幅・深さを測定して記録します。ドレッシング交換ごとに比較し、治療効果を判断します。
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周囲の毛髪処理と清拭
創部周囲の毛髪をクリップで処理し、生理食塩水と滅菌ガーゼで清拭・乾燥させ、創部を滅菌食塩水で洗浄します。
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滅菌手袋の装着
汚れた手袋を外し手を洗浄後、キットから滅菌手袋を取り、袖口を上に折りたたんだ部分だけを触って装着し、外側は触らないようにします。
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フォームドレッシングの切取
創傷のサイズと形に合わせてフォームをカットし、創面に覆いかぶさることなくフィットさせます。創面上でのカットは破片が落ち込む恐れがあるため避けます。
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フォームの設置
カットしたフォームを創部に入れ、複数ピースを使用する場合は全てが接触するように配置し、未確認のトンネルへは入れません。
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透明ドレープのカットと設置
ドレープを創部周囲3〜5 cm余裕を持たせてカットし、密閉性を確保します。ドレープは圧迫しないようにし、円形の2 cm穴を中心に開けます(線形スリットは負圧で崩れやすいため不可)。
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T.R.A.C.パッドの貼付
パッドの裏紙をはがし、ドレープの中心穴に合わせて貼り付け、端部を軽く押して完全に接着させます。必要に応じて追加の透明テープで補強します。
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ドレインカニスターの装着
カニスターを取り出し本体にセットし、全チューブのクランプを閉じた後、ドレッシングチューブとカニスターを接続します。
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負圧設定
本体側面の緑色「Power」ボタンを押し、「Therapy」メニューへ。矢印ボタンで医師指示に従い負圧レベルを調整します。過剰な分泌や創面が大きい場合は上げ、血管障害や周囲組織損傷がある場合は下げます。
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治療モードの選択
「Continuous Therapy」モードを選び、強度(負圧変化率)を設定します。推奨は10 mmHgで、患者が不快感を示す場合は強度を下げます。
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メニューからの退出
「Exit」ボタンでメイン画面に戻ります。
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治療開始
チューブのクランプを開き、「Therapy On」キーを押すと負圧がかかり、フォームが縮みます。圧縮が見られない場合はチューブやドレープの漏れを確認し、テープで密閉します。
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治療記録
日時、患者の耐容性、創傷の状態、投与薬、治療の変化点などを詳細に記録します。
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治療終了とドレッシング除去
クランプを閉じ「Therapy Off」ボタンで停止し、30秒待ってフォームが再膨張したら、ドレープの角を持ち上げ横方向に伸ばして粘着剤を緩めます。垂直に剥がすと皮膚が剥がれる恐れがあるため注意。フォームを除去し、滅菌食塩水で残留物を洗い流し、ドレッシングとチューブは廃棄します。
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カニスター処理と最終清掃
使用済みカニスターに日付を記入し、最大7日または満杯になるまで使用できます。手袋を外し、石鹸と温水で手を洗浄します。
