古代ローマやギリシャの遺跡からは、医療に使用された道具が数多く出土しています。これらの遺物と近代の医療器具を比較することで、各時代の医学観や技術の発展をたどることができます。

カッピング容器

古代ローマ時代に血抜きに使用された装置で、大小二種がありました。大きいものは太ももなど広い部位に、小さいものは腕に使用されました。

リスター・スプレー

ロンドンの外科医ジョセフ・リスターが提唱した「無菌」概念に基づき、炭酸フェノール(カルボリック)溶液を噴霧する装置です。真鍮製のボイラーにハンドルと噴射口が付いており、手術中に細菌を除去する目的で使用されました。刺激が強く完璧ではありませんでしたが、後の無菌手術の礎となりました。

産科用フック

古代ギリシャの医師が記録したフックは、現代の動脈瘤用ニードルに類似した役割を果たしました。外科医は鋭利なフックで皮膚を貫き、組織を摘出したり、創部の縁を操作したりしました。

パルス計測用砂時計

20世紀初頭、医師は患者の脈拍を測定するために砂時計を改良して使用しました。一般的に15秒間の測定が適切とされ、砂の量を調整してその時間を測れるようにしました。

ヒルジャー(ヒル容器)

紀元前100年頃のシリア医師が血抜きにヒル(ヒル)を用いたことが記録されています。血を吸い終わったヒルは、陶磁器やガラス製の装飾容器に入れ、数日間保存して再利用しました。