脳は酸素がないとどれくらい生き残れるのか?
人体は酸素がなければ機能しません。酸素供給が部分的に減少する状態を低酸素症(hypoxia)、完全に欠乏する状態を無酸素症(anoxia)と呼びます。脳は酸素を最も多く消費する器官で、酸素が供給されなくなると、約4〜6分で脳細胞は不可逆的に死滅します。酸素供給が完全に止まると、10秒以内に意識を失います。長時間の低酸素は脳損傷を引き起こし、最終的には死に至ります。
原因
- 煙の吸入、頭部外傷、窒息、一酸化炭素中毒、溺水、薬物過剰摂取、脳卒中、絞殺など、事故や健康問題に伴うものが主です。
症状
- 軽度の低酸素では注意散漫、判断力低下、協調運動障害が見られます。重度になると反応がなくなり、昏睡、呼吸停止、光に反応しなくなります。血圧と心拍が残っている状態でも脳死に至ることがあります。
合併症
- 酸素欠乏により植物状態に陥ることがあります。呼吸は続くものの意識がなく、1年以内に死亡するケースが多いです。合併症として褥瘡、肺炎、血栓形成などが挙げられます。
予防・対策
- 低酸素は突発的に起こるため完全な予防は難しいですが、原因となる事故や中毒を防ぐことが重要です。低酸素が疑われた場合はすぐに心肺蘇生(CPR)を実施し、救急(911)へ連絡してください。
予後
- 酸素欠乏の時間と脳損傷の有無が回復の鍵です。短時間の意識喪失であれば完全回復が期待できますが、時間が長くなるほど回復率は低下します。回復過程で記憶障害、幻覚、筋痙攣などの神経・精神的障害が残ることがあります。
