脊髄損傷(SCI)についての概要
脊髄損傷(Spinal Cord Injury、SCI)は、脊髄が損傷し、感覚や運動機能が失われる状態です。外傷や周囲の骨・組織の損傷が原因となり、損傷部位以下の感覚・運動が永続的に失われることが多いです。
事実
-
脊髄は約45cm(18インチ)で、骨格の脊椎より短く、脳底部から腰部まで伸びています。脊髄内の神経は脳と体全体を結び、情報の往来を担っています。損傷が起きるとこの通信が遮断されます。
症状
-
症状は損傷の程度と部位により異なります。損傷が高位(首)であれば腕・脚・呼吸に影響し、腰部以下であれば下半身のみが影響を受けます。主な症状は感覚喪失、運動麻痺、疼痛、呼吸困難、排尿・排便障害などです。
タイプ
-
脊髄損傷は「不完全損傷」と「完全損傷」に分類されます。不完全損傷では損傷部位以下にある程度の感覚や運動機能が残りますが、完全損傷ではほぼ全ての機能が失われます。近年の急性期治療の進歩により、不完全損傷の割合が増えています。
重要性
-
米国では毎年1万人〜1万5千人が脊髄損傷を受け、その多くが永久的な麻痺または死亡に至ります。特に15歳から35歳の若年男性に多く見られます。
治療
-
近年の医療技術の進歩により、回復の可能性が高まっています。研究は残存神経の機能改善や神経再生を目指した新治療法を開発中です。急性期は集中治療室で呼吸管理、血圧コントロール、合併症予防が行われ、薬物投与や固定、必要に応じて緊急手術が実施されます。
予防
-
自動車事故が最も多くの原因です。安全運転とシートベルトの着用がリスク低減に直結します。また、スポーツ時の保護具着用、階段の手すり利用、銃器や弾薬の適切な保管も重要です。
