歯科診療における緊急事態とは?
多くの人は歯科医は歯のクリーニングや虫歯の治療だけだと思いがちですが、実際にはさまざまな緊急事態にも対応しています。米国では年間約73万件の患者が歯の痛みや外傷で救急医療を受けています。歯科医は感染症や外傷などの緊急ケースに備えて特別な訓練を受けています。
歯の膿瘍(アブセス)
膿瘍は歯の内部(歯髄)で細菌が増殖し、感染が起こる状態です。放置された虫歯や口腔衛生の不備が主な原因です。治療は感染部位のドレナージと、可能であれば根管治療を行います。抗生物質で感染拡大を防ぎ、場合によっては歯全体を抜歯し、ブリッジで欠損部を補います。
蜂窩織炎(セルリティス)
膿瘍が適切に処置されないと、周囲の組織に広がり蜂窩織炎となります。顎や顔、喉に腫れと疼痛が生じ、抗生物質での治療が必須です。放置すると血流に乗って全身へ広がる危険があります。腫れが落ち着いたら根管治療、ドレナージ、または抜歯が行われます。
割れた歯(破折)
外傷や事故により歯が割れたりひびが入ったりします。可能な限り歯を保存し、感染防止のため抗生物質や根管治療を行います。破損部分は詰め物、ボンディング、クラウンなどで修復します。歯が全壊した場合は抜歯して義歯やインプラントで代替します。
抜けた歯(脱臼)
子どもに多い緊急事態で、外傷により歯が抜け落ちます。抜けた歯とともにすぐに歯科医へ持参すれば、歯根の再植が可能です。理想的には1時間以内に受診することが望まれます。診療時間外でも、救急外来に歯科医が常駐している場合があります。
