義歯に使用されるプラスチック材料
義歯は、人工歯を用いて作られる歯科補綴物で、歯が虫歯や歯周病、外傷などで失われた患者に装着されます。金属合金や磁器なども使用されますが、最も一般的なのはアクリル樹脂系プラスチックです。以下に、義歯製作に用いられる代表的なプラスチックをご紹介します。
ピロキシリン (Pyroxylin)
1856年にイギリスの発明家アレクサンダー・パークスがセルロースから合成した人工素材として開発しました。加熱すると成形可能で、硬化すると頑丈な固体になります。柔軟性と耐久性に優れ、義歯材料として広く利用されています。商標名としては「アルコライト」や「アガリン」などがあります。
フェノール樹脂 (Phenolic)
1909年に化学者レオ・ヘンドリック・ベークランドがフェノールとホルムアルデヒドを反応させて作ったプラスチックです。加熱で軟化し、乾燥すると硬化します。強度と柔軟性を兼ね備えており、義歯の快適さと耐久性に寄与します。代表的な商標名は「C‑E 950」や「アルデノール」などです。
ナイロン (Nylon)
ジアミンとジカルボン酸の縮合で得られる樹脂で、強度が高く、熱に強い特徴があります。そのため、部分義歯の材料として特に適しています。
アセタール (Acetal)
配合方法や他素材との組み合わせにより、短期・長期の両方で優れた性能を発揮します。高い耐久性と破損しにくさから、全義歯・部分義歯の両方に利用されています。
ポリカーボネート (Polycarbonate)
ビフェニルアセテート系のポリマーからなるプラスチックで、アセタールと同様に耐久性と柔軟性があります。また、自然な透明感と研磨しやすさを持ち、審美性の面でも優れています。
