ロス博士の矯正治療テクニック
ロス博士は、矯正治療の結果は機能的および審美的目標を明確に設定することで向上すると主張しました。1975年、同博士は歯科修復医・顎関節学者のトーマス・バスタ博士と共に、先進的な継続教育を提供する基金(FACE)を設立し、機能的咬合の原理と臨床応用を教えました。
治療目標
ロス博士は、矯正治療が影響を与えるすべての領域に対して明確な目標を設定することが重要と述べました。目標は以下の5つに分類されます。
- 顔面審美:全体の顔のバランスやプロファイルを改善する。
- 歯列審美:歯の形・配列・色調を美しく整える。
- 機能的咬合:適切なかみ合わせと上下顎の動きを確保する。
- 歯周組織の健康:歯槽骨や歯肉の適切な厚さと健康状態を維持する。
- 顎関節(TMJ)の健康:顎関節が正常に機能し、ディスクの変位を防ぐ。
技術
これら5つの目標を設定することで、治療計画が具体化します。例えば、顔面審美の目標に応じて、特定の歯の移動、ワイヤーの選択、抜歯の有無、さらには顎変形手術の必要性が決まります。歯列審美と顔面審美は相互に補完し合い、最終的な外観を決定します。
機能的咬合では、過蓋、反対咬合、離開、上下顎の機能的動作などを評価し、適切な咬合関係を構築します。歯周組織の目標は、支える組織の厚さと健康を確保することです。
顎関節の目標は、下顎骨が正しい位置にあるときに歯が同時に接触することです。ディスクの変位が起こると、プロファイルの変化などのマイナス効果が生じます。これらの目標を統合することで、矯正治療の成功率が高まります。
