死髄歯(非活性歯)の漂白技術と治療の流れ

非活性歯(死髄歯)とは

歯の神経(歯髄)が壊死し、血液や水分が供給されなくなると、歯は非活性、すなわち「死髄歯」になります。神経が死ぬ原因は、深い虫歯が神経腔に達したり、根管治療時に過度に近い位置に充填材が入ったり、根尖で神経が切断されたりします。死髄歯は脆くなり、時間とともに内部から変色しやすくなります。根管治療で歯を保存しても、色の回復は期待できません。従来の表面漂白では内部からの変色は改善できません。

非活性歯の理想的な治療

根管治療後の歯は割れやすくなるため、最も効果的なのはコアビルドアップとクラウンで補強することです。後方(奥歯)の場合は、アマルガム製のポストとコアビルドアップが一般的で、その上にクラウンを装着します。前歯の場合、残存歯体が十分にあるなら通常のクラウンで対応し、歯が極端に削られている場合のみコアビルドアップが必要です。クラウンは歯全体を覆い、脆い歯を保護します。前歯のクラウンは主にセラミック(ポーセリン)で作られ、素材自体の色が変わることはありません。

ウォーキングブリーチ法

非活性歯の内部漂白で最も侵襲が少ない方法が「ウォーキングブリーチ法」です。舌側(舌根側)に小さな穴を開け、綿パックに水と過酸化ナトリウム(パーボレート)を混ぜたものを入れます。その後、Cavit という軟らかい仮詰め材で穴を封鎖します。1回の漂白だけでは十分な効果が得られないことが多く、30〜40分の処置を数回、数回の診療に分けて行います。処置後はCavit と綿パックを取り除き、次回の診療まで再びCavitで封鎖します。患者の満足度を確認しながら、必要に応じて追加の漂白を行います。

熱触媒ブリーチ法

「熱触媒ブリーチ法」はウォーキングブリーチ法よりも侵襲が大きいですが、効果は速く得られます。手順は同様に舌側に穴を開けますが、使用する漂白剤は35%濃度の過酸化水素を含むスーパーオキシル(Superoxyl)で、熱を加えることで漂白作用が高まります。綿パックにスーパーオキシルを乗せ、Cavit で封鎖した後、30〜40分間加熱します。その後、Cavit と綿パックを取り除き、次回の診療まで再度Cavitで封鎖します。効果は高いものの、過酸化水素の強い酸化作用により、歯の外部組織や根尖部に刺激を与えるリスクがあります。定期的に診療で色の変化を確認し、必要に応じて追加処置を行います。

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