鉗子分娩の副作用とリスク
鉗子は、ハンドルが付いた二つのスプーン形状の鋼製器具で、サラダトングに似ています。母親が自力で胎児を押し出せない場合、医師が鉗子を用いて胎児の頭部を優しくつかみ、引き出すことがあります。熟練した医師が使用すれば帝王切開の回数を減らす有用な手段ですが、鉗子分娩にはいくつかの合併症リスクが伴います。
顔と頭部の傷害
- 鉗子の圧迫により、顔に痕跡や切り傷、あざができることがあります。これらは軽度で数日で自然に治癒します。
- 一時的に円錐形の頭部になることがありますが、これは自然分娩でも見られる一般的な現象です。
頭蓋内出血
- 一部の研究では鉗子分娩が頭蓋内出血リスクを高めるとされていますが、出血の原因はむしろ分娩困難自体にあるとする見解もあります。多くの場合、症状は数週間から数か月で自然に解消します。
神経損傷
- 顔面や腕の筋肉を制御する神経が一時的に損傷することがあります。ほとんどは数日で回復し、稀に永続的な障害が残ることがあります。
骨折
- 極めて稀ですが、鉗子使用により鎖骨が骨折することがあります。約4,500件の鉗子分娩で1件は頭蓋骨骨折が報告されています。
脊髄損傷
- 鉗子で胎児を引っ張り、同時に回転させる操作が行われた場合、脊髄損傷のリスクがあります。
母体へのリスク
- 鉗子分娩は母親にも影響を及ぼすことがあります。膣や肛門の裂傷、膣壁のあざ、膀胱損傷、直腸括約筋機能不全などが報告されていますが、多くは軽度で回復します。
