乳児の黄色ブドウ球菌感染症とは
概要
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)は、健康な人の皮膚や鼻腔に常在する細菌です。CDCの調査によると、約30%の健康な人が鼻腔にこの菌を保有していても症状は出ません(保菌と呼ばれます)。乳児では、主に軽度の皮膚感染が起こりますが、創傷感染、血流感染、尿路感染、肺炎など重篤な合併症になることもあります。
タイプ
乳児がかかる黄色ブドウ球菌感染は大きく2種類に分かれます。
- 一般的な黄色ブドウ球菌感染:多くの抗生物質で治療可能です。
- メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染:ベータラクタム系抗生物質(メチシリン、ペニシリン、アモキシシリンなど)に耐性があります。病院内で見られる黄色ブドウ球菌の約50%がメチシリン耐性とされています。
症状
主な症状は皮膚に現れます。
- 膿がたまった赤い腫れ(膿瘍)は、特に脇の下やお尻にできやすいです。
- 伝染性膿痂疹(イムペティゴ)は、鼻や口周辺にかさぶたができた水疱が現れます。
- 新生児では、熱や発疹、皮膚がはがれる「やけど様皮膚症候群」も見られます。
診断と治療
疑いがある場合は小児科医に受診し、皮膚のサンプルや鼻拭い液で菌の有無を検査します。感染が確認されたら、菌のタイプ(普通株かMRSAか)に応じた抗生物質を処方します。医師の指示どおりに薬を服用し、完治まで治療を続けることが重要です。
予防と対策
衛生管理が最も効果的です。
- 手洗いを徹底し、赤ちゃんの体を清潔に保ちます。
- 公共のトイレのベビーチェンジング台は使用を避けるか、使用前に消毒・カバーを行います。
- タオルやシーツは高温の洗濯で定期的に洗い、傷口は滅菌された絆創膏で覆っておきます。
