ビリルビン代謝と新生児黄疸

胎児は母体からの酸素を胎盤を通じて受け取るため、余分な赤血球が多く存在します。出生後は自ら呼吸し酸素を得るため、余分な赤血球は不要となり、肝臓で破壊されます。その過程で生成されるビリルビンは、便や皮膚を通じて排泄され、皮膚が黄色くなる黄疸を引き起こします。軽度の黄疸は、自由ラジカルから新生児を保護する可能性があると、米国科学アカデミーは指摘しています。

歴史

1950年代にRh溶血性疾患が頻発したため、新生児黄疸の治療は積極的に行われました。Rh陰性の母親に対するワクチン「Rhogam」の登場により重篤な血液不適合症の発生は大幅に減少し、1970年代まで治療は続きました。光線療法は、保育士が窓際に置かれた赤ちゃんの黄疸が軽いことに気付いたことがきっかけで開発されました。

重要性

出生後24時間以内に総ビリルビン濃度が30 mg/dLを超える「核黄疸」は高度リスクとされ、脳障害・肝障害、治療しない場合は死亡に至る可能性があります。こうした高リスク赤ちゃんは輸血が必要になることがありますが、発症率は約1万人に1人です。

タイプ

正産児では、生後3〜5日でビリルビン濃度は12 mg/dL未満にピークを迎えます。20 mg/dL未満は低リスクとみなされます。血液型O型の母親から生まれた子やABO不適合が軽度の場合、やや高めのビリルビン血症(高ビリルビン血症)になることがあります。未熟な肝臓をもつ早産児は、余分な赤血球の分解産物を十分に処理できず、同様に高ビリルビン血症のリスクが高まります。

診断

出生後24〜48時間で総ビリルビンの上昇速度は重篤な黄疸の予測指標です。生後すぐに黄疸が見られる場合は速やかな医療評価が必要です。生理的黄疸は生後3〜4日に出現し、まず顔や眼球の白目に現れます。へその下から臀部・脚部に広がる黄疸は血中ビリルビン濃度が高いことを示唆します。黄疸がある赤ちゃんが無気力で授乳がうまくいかない場合は、専門医の診察を受けさせましょう。

予防・対策

市販の粉ミルクとは異なり、母乳はビリルビンと結合し消化管からの排泄を促進します。できるだけ早く授乳を開始し、頻回に授乳することで黄疸の予防につながります。
皮膚は排泄器官でもあります。直射日光や窓越しの自然光は皮膚のビリルビン除去を助けます。適度に肌を露出させ、日焼けや低体温にならないよう配慮してください。
人工光(光線療法)は光源が赤ちゃんに十分近い場合に有効です。目は必ずシールドで保護し、家庭用の「ビリブランケット」などで光を当てることも可能です。
光線療法中や光照射後は、十分な水分・母乳を与えて排泄を促すことが重要です。

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