人工授精のリスクと副作用:先天性異常・神経・心理への影響
先天性異常
2002年のハンセンらの研究では、人工授精で受胎した子どもの先天性異常率は8.6%で、自然受胎の4.2%に比べて約2倍高いことが示されました。
主な異常の種類
- 心血管系異常:人工授精児は1.3%、自然受胎児は0.6%。
- 筋骨格系異常:人工授精児は3.3%、自然受胎児は1.1%。
原因としては、不妊カップルの高齢化、基礎疾患、授精時の薬剤使用が考えられます。
多胎妊娠と早産
2000年のウェンナー・ホルムらの研究では、異常の多くは人工授精そのものよりも、早産や多胎妊娠に起因することが明らかになりました。なお、早産・多胎は補助生殖技術全般で頻度が高くなります。
神経系への影響
2002年のストロンバーグらの調査では、低出生体重・低胎齢・多胎児において脳性麻痺のリスクが高まることが報告されました。単胎児では有意差は見られませんでした。
心理的負担
臨床心理学者アニー・リード・ヘンダーソン(2008)は、人工授精やドナー精子使用に伴う感情的ストレスがカップル関係に深刻な影響を与える可能性を指摘しています。特に男性パートナーは生物学的つながりが薄いことへの心理的対処が必要です。専門家によるカウンセリングが有効とされています。
