小児の間質性肺疾患(chILD)の概要と対策

重要性

間質性肺疾患(ILD)は炎症により肺の間質組織が瘢痕化・肥厚し、慢性的な胸部症状や呼吸困難を引き起こす希少な肺疾患です。成人のILDと一部重なりますが、子どもにみられるILD(chILD)は医学的に大きく異なります。出生直後に発症し、1歳以内に診断されることが多いですが、幼児期から思春期まで幅広い年齢で発症します。原因の多くは遺伝的要因や環境因子と考えられ、感染性はありません。

症状

肺は酸素を血流に供給し、二酸化炭素を排出する役割を担います。慢性的な肺組織の炎症は肺胞の瘢痕(線維化)を引き起こし、酸素供給が妨げられます。その結果、肺が硬く縮小し、呼吸困難が増します。主な症状は乾いた咳と息切れで、初期にはほとんど現れず、徐々に進行します。低酸素血症が長期間続くと、心拡大や爪先の爪甲変形(バーバス)などが見られることがあります。

診断

小児のILDを特定し原因を探ることは非常に困難です。まず身体検査と家族歴の詳細な聴取を行い、他の疾患を除外します。その上で以下のような検査が行われます。

  • 胸部X線検査:初期スクリーニングとして使用されますが、ILDの診断精度はCTに劣ります。
  • 高分解能CT(HRCT):間質の変化を詳細に評価でき、診断の中心的手段です。
  • バリウム嚥下検査(ミルクテスト):食道逆流の有無を調べ、慢性肺疾患の手がかりとします。

留意点

多種多様な疾患がILDと類似した症状を示すため、誤診のリスクがあります。喘息などの呼吸器疾患を除外した上で診断を確定します。近年の研究では、特定のILDは乳児に多く、別のタイプは学童期以降に多いことが明らかになり、診断精度が向上しています。

予防・治療

小児ILDの明確な原因が特定できないため、予防策は限られます。妊娠中の喫煙や受動喫煙を避け、胎児に有害な化学物質への曝露を控えることが推奨されます。

根治療法はなく、主な治療は酸素療法、吸入ステロイド、抗炎症薬(ステロイド)などです。肺移植は成人に比べ適応が少なく、18歳未満での移植は全体の5%未満です。

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