長期的なアルコール摂取が記憶に与える影響

アルコールが脳に与える影響

アルコールは少量の摂取でも、記憶形成に関わる海馬や視床下部などの脳領域の働きを阻害し、情報の保存・想起・感情付与を妨げます。

ブラックアウト(記憶喪失)

飲酒によるブラックアウトは、過去の出来事を思い出せなくなる現象です。軽度の断片的な記憶喪失から、重要な出来事全体を失う重度まで様々で、特に若年層の過度な飲酒(ビンジドリンキング)で頻発します。

ウェルニッケ‑コルサコフ症候群

ウェルニッケ‑コルサコフ症候群は、ビタミンB1(チアミン)欠乏が原因で起こる二つの疾患(ウェルニッケ脳症とコルサコフ症候群)です。ウェルニッケ脳症は歩行や部屋の出入りといった単純作業を忘れさせ、コルサコフ症候群は新しい記憶の形成や既存の記憶の保持が困難になります。症状は飲酒を止めた後に顕在化することが多く、診断には血中・尿中のアルコール濃度測定が行われ、魚、赤身肉、玄米、豆類、卵黄などチアミンを多く含む食品の摂取が推奨されます。

肝性脳症

肝臓が機能不全に陥り血中の毒素を除去できなくなると、毒素が脳に蓄積し肝性脳症を引き起こします。記憶障害に加えて書字や会話といった運動機能も低下し、重症例では集中治療や栄養管理が必要です。放置すると昏睡・死亡に至ります。

薬物との併用による影響

アルコールと向精神薬や鎮静剤、マリファナなどを同時に使用すると、記憶障害がさらに悪化します。抗不安薬、抗てんかん薬、筋弛緩剤、鎮痛薬、睡眠薬などは単独でも記憶や運動機能に影響を与えるため、併用は特に危険です。

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