思春期の睡眠習慣と健康への影響
社会的要因
社会的要因は思春期の睡眠パターンの主因とは見なされなくなっていますが、依然として影響があります。10代はビデオゲームやテレビ視聴、友人との交流などで夜遅くまで起きていることが多いです。1晩に8〜9時間の睡眠が推奨される一方で、遅くまで起きていると体は朝遅くまで寝たいと感じ、学校に早く起きなければならない際に問題となります。
生物学的要因
思春期になると体内時計が変化することが分かっています。脳が管理する概日リズムが変わり、就寝時刻になるとむしろエネルギーが湧き上がるようになります。生物学的時計が思春期の脳を再配線し、夜遅くまで起きて朝は遅くまで寝たくなる傾向が生まれます。
睡眠負債
10代は夜遅くまで寝ず、学校のために数時間後に起きるため、必要な睡眠が確保できません。その結果、睡眠負債が蓄積します。例えば、平日に必要な睡眠時間より2時間不足すると、10時間分の睡眠負債が生じます。負債を埋めようと週末に寝だすと、概日リズムがさらに乱れ、平日の生活に支障を来します。
睡眠不足がもたらす影響
睡眠不足はさまざまな問題を引き起こし、特に学業に大きな支障を与えます。十分な睡眠が取れない思春期は、集中力の低下、気分の不安定、抑うつ感、覚醒度の低下を経験しやすく、運転時の危険性も高まります。また、睡眠不足は情緒の揺れや行動問題、注意欠陥・多動性障害(ADHD)様の症状を引き起こすことがあり、実際にADHDと診断されるケースの多くは睡眠不足が原因とされています。
