妊娠中の子宮頸部異形成(前がん)
妊娠中の子宮頸部異形成は、治療が胎児に影響を与える恐れがあるため、妊娠後に延期されることが一般的です。診断はパップテストや生検で行われ、異常組織の除去が主な治療法です。
タイプ
子宮頸部異形成は、子宮頸部に異常細胞が増殖した状態で、前がん性とがん性に分類されます。前がん性細胞の約2/3ががんへ進行します。主に以下の2タイプがあります。
- 低度異形成(Low‑grade dysplasia):増殖が緩やかで、自然に寛解することがあります。
- 高度異形成(High‑grade dysplasia):急速に増殖し、外科的介入が必要です。妊娠中・妊娠前のどちらでも発症し、治療せずに放置すると30〜50%が浸潤がんになるとNIHは報告しています。
妊娠が与える影響
ペンシルベニア大学アブラムソンがんセンターによると、多くのケースは妊娠後に治療でき、胎児へのリスクや早産を回避できます。妊娠中はホルモン変化が異形成の増殖を促す可能性があり、医師は母体と胎児の状態を慎重にモニタリングします。
治療法
通常、出産後2週間以上経過してから治療が行われます。低度異形成は自然寛解することもありますが、必要に応じて以下の方法が用いられます。
- 円錐切除術やループ電気切除術(LEEP)などの外科的スクレーピング
- 子宮全摘出術(子宮摘出)
- 凍結療法(クリオセラピー)
いずれの方法も異常細胞を除去または破壊することが目的です。
研究動向
アイオワ大学の研究者は、レーザー蒸散(laser colonization)という技術が妊娠中でも安全に異形成組織を除去できる可能性を示しました。高価で専門技術が必要なため、まだ広く普及していません。
予防と対策
NIHは、喫煙を控える・禁煙することがリスク低減に最も効果的としています。その他、性的パートナーの数を制限し、安全な性交を実践すること、18歳未満での性行為を避けることもリスクを下げます。妊娠を計画している女性は、妊娠前に婦人科でパップテストを受け、異形成の有無を早期に確認すると安心です。
