閉経と甲状腺機能低下症:症状と診断のポイント
閉経とは
女性は通常、40歳から58歳の間に自然に閉経が始まり、エストロゲンの分泌が減少します。エストロゲンは血液循環、骨密度、皮膚、脳の健康に重要な役割を果たします。エストロゲン減少に伴い、体重増加、ほてり、睡眠障害、筋肉痛、皮膚乾燥、うつなどの症状が現れます。卵巣摘出術や骨盤への化学療法・放射線治療でも早期閉経が起こります。
甲状腺機能低下症とは
甲状腺は体内の多数の臓器の機能を調整するホルモン(T3・T4)を分泌します。これらのホルモンは血管の柔軟性を保ち、骨密度、心拍、代謝を維持します。甲状腺が十分なホルモンを産生できないと、筋肉の疲労感、皮膚乾燥、うつ状態、体重増加、倦怠感などが現れます。
診断のポイント
閉経と甲状腺機能低下症は症状が似通っているため、閉経の治療が効果を示さない場合でも甲状腺検査が行われないことがあります。逆に、甲状腺機能低下症の症状を閉経と誤解し、治療を受けないケースもあります。放置すると高血圧、貧血、頭痛、まれにミクシドマ昏睡(尿閉や痙攣を伴う)に進行する恐れがあります。
研究結果
米国臨床内分泌学会の調査によれば、閉経症状で受診した女性のうち、甲状腺疾患の検査を受けたのは4人に1人だけでした。メキシコのHospital de Especialidadesが2008年に実施した研究では、エストロゲンレベルの変化が甲状腺機能に影響し、甲状腺ホルモンの産生と直接関係していることが示されました。
まとめ
閉経期に現れる不調が甲状腺機能低下症によるものかどうか、適切な血液検査で確認することが大切です。症状が続く場合は専門医に相談し、早期の診断と治療を受けましょう。
