閉経期の消化障害と対策
閉経前後(更年期)に入ると、エストロゲンの減少やホルモンバランスの変化により、さまざまな消化器症状が現れやすくなります。ここでは主な症状とその緩和法をまとめました。
膨満感・下痢・便秘
更年期になると、エストロゲンが減り、コルチゾールやインスリンといった脂肪を蓄えるホルモンが相対的に増加します。その結果、腹部が膨らみやすく、時折膨満感を感じます。
また、エストロゲンは腸の蠕動を促進し、プロゲステロンは逆に遅くします。この二つのホルモンが変動することで、下痢と便秘が交互に起こりやすくなります。
過敏性腸症候群(IBS)
更年期の女性は、IBS の症状が出やすくなります。下痢が主なタイプと、便秘が主なタイプがあります。便秘型 IBS には、医師の処方で Zelnorm(トラビモド)などが有効とされますが、必ず専門医に相談してください。
逆流性食道炎(GERD)と胸焼け
下部食道括約筋の機能低下により、胃酸が食道に逆流しやすくなります。主な症状は胸焼け、酸の逆流、喉の違和感、咳、口臭などです。更年期でも個人差がありますが、胸の痛みや嚥下障害がある場合は早めに受診しましょう。
咽頭逆流(LPR)
LPR は胃内容物が食道を通って咽頭まで上がる状態で、GERD と違い胸焼けや胃痛がほとんどありません。主な症状は声がかすれる、喉の粘液過多、慢性的な喉のイガイガ感、咳、夜間の咳で目が覚めるなどです。耳鼻咽喉科での診断と治療が必要です。
症状緩和のための食事・生活習慣
- 血糖値を急激に上げる高GI食品は控えめにし、低炭水化物・高脂質・高タンパク質の食事を心がける。
- 1日3〜5回に分けて少量ずつ食べ、インスリンの波を平坦にする。
- 1週間程度、パンや焼き菓子などのグルテン含有食品を除去し、症状の変化を観察する。
- アルコールは胃粘膜を刺激するため、摂取を減らす。
- ペパーミントカプセル(エコーコーティング)を食間に2〜3粒摂取すると、胃腸の緊張が緩和されることがあります。
- 消化酵素サプリ(脂肪・炭水化物・たんぱく質分解酵素)を食事と共に摂ると、消化負担が軽減します。
ストレス管理と運動
ストレスは腸の動きを乱す大きな要因です。瞑想、呼吸法、カウンセリングなどで心身をリラックスさせましょう。また、ウォーキングやサイクリングなどの有酸素運動はホルモンバランスの改善にも役立ちます。
就寝時は、頭部を30〜45度上げるフォームのウエッジクッションを使用すると、胃酸の逆流を防ぎ、鼻づまりの緩和にもつながります。
症状が続く場合は、必ず主治医に相談し、個々の生活スタイルに合わせた治療計画を立ててもらいましょう。
