臨床試験の同意書(インフォームドコンセント)の作成手順
はじめに
臨床試験におけるインフォームドコンセント(ICF)は、被験者が研究に参加する際に必ず提示しなければならない最重要文書です。法規制、倫理審査委員会(IRB)の要件、所属機関の基準をすべて満たす必要があります。本稿では、ICF 作成の具体的な手順とポイントをわかりやすく解説します。
必要なもの
- 研究プロトコル(科学的計画書)
作成手順
- 導入文を書く
「この研究は、標準医療とは別に、あなたに参加をお願いするものです」と明示し、文中は常に「あなた(被験者)」と呼びかけます。 - 研究目的を説明する
例:「本研究は、実験薬が関節炎の治療に有効かどうかを検証することを目的としています」。 - 実施する手順を箇条書きで示す
試験開始から終了までに被験者が受けるすべての手順を、簡潔な宣言文で列挙します。オプショナルなサブスタディがある場合は、主研究の ICF に簡単に触れておきます。 - 参加期間と訪問時間を明示する
各訪問に要する時間と、全体でのカレンダー上の期間(例:12 週間)を示します。 - 実験的手順を明確に示す
文中で実験的であることが分かる手順は必ず強調します。 - 予想されるリスクを列挙する
発生確率が高い順に、重大度が高いものから低いものへ順に記載します(例:肝機能障害 → 発疹)。 - 期待できるベネフィットを記載する
「関節炎の症状が軽減する可能性があります」など、保証ではなく可能性として表現します。 - 個人情報保護の方法を説明する
研究チーム以外への情報開示は法的要請がある場合のみである旨を記載します。 - 参加は任意であることを強調する
いつでも自由に中止でき、医療提供者との関係に影響がないことを明記します。 - 途中で中止した場合のデータ取扱いを示す
例:「中止前に取得した血液検体の情報は最終データに含めます」。 - 報酬の有無と金額を明示する
例:「訪問1回ごとに現金 10 米ドルを支払います」。報酬がない場合はその旨を明記。 - 問い合わせ先を記載する
研究責任者(Principal Investigator)の氏名、住所、電話番号、24 時間対応可能な緊急連絡先を掲載します。 - 倫理審査委員会(IRB)の連絡先を掲載する
質問や苦情がある場合の窓口情報を提供します。
