HFA吸入器の合併症と注意点
2009年以前、米国で販売されていた吸入器の多くはCFC(塩化フロン)を推進剤として使用していました。CFC吸入器の販売は2008年12月31日をもって停止され、新しい吸入器はCFCの代わりにHFA(ハイドロフルオロアルカン)を使用しています。HFAは環境に優しい代替推進剤で、1998年からFDAの承認を受け安全に使用されています。CFC吸入器と比べて、HFA吸入器には異なる合併症や注意点があります。
薬剤がアクチュエータに蓄積する
HFA吸入器は、薬剤がアクチュエータ内部に蓄積しやすく、噴霧が阻害されることがあります。そのため、定期的かつ正しく洗浄することが必要です。洗浄の目安は、週に1回程度です。手順は以下の通りです。
- カートリッジをアクチュエータから外し、マウスピースキャップを取り外す。
- アクチュエータ上部にぬるま湯を30秒間流し、続いてマウスピース部分にも30秒間流す。
- 余分な水分を振り落とし、内部に残った残留物がないか確認する。残留物がある場合は再度洗浄する。
- 洗浄後はアクチュエータを一晩自然乾燥させ、カートリッジを元に戻す。
各メーカーのHFA吸入器には、専用の洗浄方法が添付されていますので、必ず取扱説明書を参照してください。
噴射感覚が異なる
HFA吸入器の噴霧は、CFC吸入器に比べて柔らかく、微細なミストのように感じられます。ただし、噴射の強さが肺への薬剤到達に直接関係するわけではありません。FDAは、吸入時に深く息を吸い込むことで、CFC吸入器と同等に薬剤が肺へ届くと説明しています。
HFA吸入器は高価
米国環境保護庁(EPA)によると、HFA吸入器はジェネリックが少ないため、CFC吸入器よりも価格が高く設定されています。そのため、多くのメーカーが患者支援プログラムを提供し、自己負担額の軽減を図っています。支援プログラムの対象になるには、以下の条件が一般的です。
- 処方薬に対する健康保険の給付がないこと。
- 米国内在住であること。
- 一定の収入基準を満たすこと。
また、一部の薬局や医師はクーポンを配布し、HFA吸入器の割引を提供しています。
副作用
HFA吸入器で使用される薬剤に起因する主な副作用には、めまい、吐き気、嘔吐、頭痛、喉の痛み、上気道の炎症、ウイルス性呼吸器感染、神経過敏、心拍数の増加、咳、疼痛の増強などがあります。これらは吸入薬の成分によるものであり、使用前に医師と相談することが重要です。
