医療施設の安全性に関する課題

感染症対策

院内感染は致命的になることがあります。米国疾病予防管理センター(CDC)の推計によれば、院内感染率を5%、そのうち血流感染が10%、致死率を15%とした場合、血流感染は米国で死亡原因の第8位になるとされています。

多くの医療機関は「ユニバーサル・プリコーション」を実践し、患者ごとに徹底した手洗い、手袋・マスクの使用を義務付けています。また、Leapfrog Group などの監視機関にデータを提出し、ベストプラクティスと比較した安全スコアを公開しています。Leapfrog は 17 項目の指標を「ハーム防止策」としてまとめています。

投薬管理

米国食品医薬品局(FDA)は、投薬ミスが患者の怪我や死亡につながることを指摘しています。主なミスは、アレルギー情報の欠如、投与量の誤り、薬剤ラベルの不明瞭さ、手書き処方の読みにくさなどです。多くの施設では、曖昧な略語の廃止や、手書き処方を排除したコンピュータ支援医療指示(CPOE)への移行で安全性向上を図っています。

患者の正確な識別

医師や看護師は多くの患者を担当するため、名前だけで正確に識別するのは困難です。そこでほとんどの施設が患者用リストバンドを導入し、薬剤投与や検査前にリストバンドと医療指示書を照合する手順を徹底しています。識別ミスは、誤った患者に強力な薬剤を投与したり、不要な手術を行ったりする危険があります。

手術安全

手術ミスはメディアで大きく取り上げられがちですが、誤った部位の切除や手術器具の残存は防げる事故です。病院や外来手術センターでは、術前の部位マーキングや器具の数え直しを含む詳細なチェックリストを使用しています。

Joint Commission(医療機関認定委員会)は、患者が術前に外科医と部位を確認し、手術中・術後の流れを明確に説明することを推奨しています。

ケア環境(Environment of Care)

Joint Commission は、医療施設全体の安全と清潔を確保するための包括的な基準を設けています。主な項目は、転倒防止、患者プライバシー保護、火災リスク低減、薬剤キャビネットの施錠、共用エリアの整理整頓などです。

患者は施設の環境にも注意を払うべきです。汚れた廊下や床がある施設は、手洗いの徹底や患者識別の精度が低い可能性があります。環境基準は、リノリウムの清掃状態に至るまで、施設全体が適切に管理されているかを評価する指標となります。

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