尿中薬物検査の種類と概要

薬物が体内に取り込まれると、肝臓で代謝されて特有の代謝産物が生成されます。メルク社の説明によると、代謝とは体が薬物を化学的に変化させ、薬物固有の代謝物を作り出すプロセスです。尿中薬物検査は、これらの代謝物が尿に含まれているかを調べ、薬物使用の有無を判定する方法です。

検査の種類

主に以下の2種類が用いられます。

  • 酵素増幅免疫測定法(EMIT):抗体が対象薬物の代謝物に結合し、色の変化で検出します。最も一般的な方法です。
  • ガスクロマトグラフ質量分析(GC‑MS):尿サンプルを蒸発させて成分を分離し、各成分のスペクトルピークから薬物を特定します。確定検査として用いられます。

主な利用目的

雇用時の事前検査、事故後の判断、保護観察プログラムなどで使用されます。一般的には就職前のスクリーニングが最も多いです。EMITは大麻、コカイン、アンフェタミン、オピエート、フェンシクリジンの5薬物パネルを対象とし、陽性結果が出た場合はGC‑MSで確認されます。

精度

ノースカロライナ大学のデータによると、EMITの正確性は95〜97%、GC‑MSは98〜99%です。EMITは代謝物の有無のみを示すのに対し、GC‑MSは濃度まで測定でき、より高精度です。

結果が出るまでの期間

検査自体は数分で完了しますが、結果はラボの処理状況により1〜2日かかります。陽性の場合は外部ラボでGC‑MS確認検査が行われ、追加で1日から1週間程度遅れることがあります。

検査時の留意点

代謝物の検出だけでなく、検体改ざんの有無もチェックします。尿の温度、希釈の有無、試薬の混入などが確認対象です。検体が拒否されないよう、検査当日は過度に水を飲まず、途中の尿(ミッドストリーム)を採取してください。

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