メトホルミンに関する研究とその応用

メトホルミンとインスリンの比較

2008年に『New England Journal of Medicine』に掲載された研究では、妊娠糖尿病患者に対するインスリン療法とメトホルミン療法を比較しました。751名(18〜45歳)の女性を対象に、血糖コントロールと高血圧の改善効果は両群で同等であることが示されましたが、インスリン群では新生児の低血糖率が8.1%に対し、メトホルミン群は3.3%と有意に低くなりました。また、治療選択を尋ねたところ、76%の女性がメトホルミンを希望しました。

妊娠糖尿病既往女性における糖尿病予防

同年『Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism』に報告された研究では、過去に妊娠糖尿病と診断された2,190名の女性を対象に、メトホルミン併用の生活指導が単独の生活指導よりも糖尿病の発症遅延または予防に有効であることが確認されました。

がんリスクへの影響

2005年の『British Medical Journal』の報告では、2型糖尿病患者におけるメトホルミン使用ががんリスクを低減させる可能性が示唆されました。約1,000例のがん患者の医療記録を解析した結果、メトホルミンの用量とがん発生率の低下に相関が認められました。ただし、因果関係を確定するためには大規模・長期の臨床試験が必要とされています。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)女性の体重減少

2000年に『Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism』で発表された研究では、肥満のPCOS女性35名を対象に、メトホルミンとプラセボを比較しました。全員が低カロリー食を実施する中、メトホルミン投与群はプラセボ群に比べて体脂肪量と体重の減少が有意に大きく、PCOSの症状改善に寄与する可能性が示されました。

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