メディケイドの贈与規則
メディケイドは米国の公的医療保険制度で、所得や資産の状況に応じて対象者に保険を提供します。受給資格を得るためには、所得だけでなく、現金化しやすい資産(流動資産)も審査対象となります。ここでは、資産の評価方法や贈与に関する規則、違反時の罰則について解説します。
資格判定と流動資産
メディケイドは申請者の所得と資産を総合的に評価します。資産とは、現金化できる不動産、投資信託、生命保険の解約価値、預金口座の残高などを指し、これらはすべて流動資産とみなされます。たとえ所得基準を満たしていても、資産が一定額を超えると受給資格が失われます。2023年時点の基準では、個人は月額2,000ドル、夫婦は3,000ドル以下の資産しか保持できません。
贈与の取り扱い
家族に対して現金や預金、株式などの流動資産を渡すと、メディケイドの規則上は「贈与」とみなされます。たとえば、別荘を子どもに譲渡した場合、別荘を売却したときに得られる金額は受給者の所得にカウントされます。一方、MP3プレーヤーや書籍、衣類といった個人所有の消耗品は贈与として扱われません。ジュエリーは例外で、価値が高く簡単に現金化できるため、資産隠しに利用されやすい点に注意が必要です。
贈与と資格
介護施設入所者が資産を家族に移転し、自己負担分を減らそうとするケースがあります。これは、入所費用を資産の売却で賄い、残りの資産がなくなった時点でメディケイドの受給資格を得ようとする行為であり、詐欺に該当する可能性があります。
贈与規則
メディケイドでは、入所者が資産を隠す目的で家族に譲渡することを禁止しています。資産を譲渡する場合は、必ず時価相当額を受け取らなければなりません。たとえば、自宅を子どもに渡す場合、子どもは公正な市場価値で購入しなければならず、単なる贈与は認められません。
2005年の「赤字削減法(Deficit Reduction Act)」は、贈与規則を強化し、特に不動産や高価資産の移転に対し5年の「ルックバック期間」を設けました。入所申請の5年前までに行われた資産移転はすべて審査対象となり、時価以下での譲渡は不正とみなされます。
罰則
規則違反が判明した場合、まず受給資格が一定期間(資産価値÷民間介護費用の平均月額)だけ停止されます。この期間が終了し、追加の資産移転がなければ再度受給申請が可能です。さらに、違反者は資産1件につき最大10,000ドルの罰金、加えて最高5年の懲役が科されることがあります。場合によっては、介護施設での受給資格が無期限に停止されることもあります。
