妊娠中の双極性障害
双極性障害とは
双極性障害は脳内の化学バランスの乱れによって起こる精神疾患です。気分の極端な変動や激しい感情が特徴で、うつ状態や食欲不振、反社会的行動、最悪の場合は自殺念慮に至ることもあります。
双極性障害と妊娠
双極性障害は主に若年成人期に発症しやすく、出産可能年齢の女性に多く見られます。妊娠中は入院率が7倍に上昇し、再発エピソードが2倍になるリスクがあります。
妊娠中の双極性障害の管理
綿密な計画のもと、症状の重症化を防ぎ胎児へのリスクを最小限に抑えることが可能です。特に、薬剤の急な変更は胎児への影響や病状の再燃を招くため、医師と相談しながら慎重に行う必要があります。
妊娠中に推奨される薬剤
妊娠中の女性はリチウムや第一世代抗精神病薬(例:トラゾドン、ハロペリドール)など、胎児への影響が比較的少ない薬が推奨されます。一方、デパケート(バルプロ酸)やテグレトール(カルバマゼピン)などの抗てんかん薬は先天性奇形のリスクが高いため避けるべきです。また、気分安定薬はできるだけ単剤で使用する方が多剤併用よりリスクが低くなります。
リチウム療法の利点
リチウムは胎児へのリスクが比較的低く、双極性障害のコントロールに有効です。ただし、脱水を防ぐために十分な水分補給が必要です。また、分娩時および産後は血中リチウム濃度を綿密にモニタリングし、母体の再燃防止と新生児のリチウム中毒を防止します。
