感情を司る脳の部位

脳は人間の体で最も複雑な器官であり、思考・感情・行動の中枢です。感情のバランスを保つための治療法や薬剤は数多くありますが、まずは脳が感情をどのように処理し生成しているかを知ることが、メンタルヘルスの自己管理に大きく役立ちます。

扁桃体 (Amygdala)

扁桃体は恐怖感情に関与する脳領域で、辺縁系の一部です。活性化すると「闘争・逃走」反応が起こり、震え、口の乾き、耳鳴り、トンネルビジョン、心拍数上昇などの身体的症状が現れます。これが不安として体感されます。

海馬 (Hippocampus)

海馬は記憶の形成と保持を司ります。外傷的体験があると、海馬で記憶が遮断されることがあります。恐怖中枢(扁桃体)が刺激されると、海馬は過去の脅威体験を呼び起こし、現在の状況を評価します。

視床 (Thalamus)

視床は感情の反応性を調節する領域です。医学的研究によれば、視床の内側背側核や前核への刺激や損傷は感情の変化を引き起こすことが報告されています。脳手術中に覚醒した患者が視床刺激により感情が変化した例があります。

視床下部 (Hypothalamus)

視床下部は体温、性欲、空腹・渇きといった自律機能に加え、感情反応も調整します。扁桃体が活性化すると、視床下部が恐怖に伴う身体症状(発汗、心拍数上昇など)を引き起こします。単独で感情を生み出すことはなく、他の辺縁系と連携して機能します。

帯状回 (Cingulate Gyrus)

帯状回は快感と外部の視覚・嗅覚情報を結びつけ、自己と外界を結合します。また、痛みへの感情的反応を調整し、攻撃的行動を抑制します。特定の神経線維を切断するとうつや不安が軽減することが示され、心理的外傷や遺伝的要因に起因しない気分障害の管理に重要です。

メンタルヘルス(一般) - 関連記事