統合失調症の理解と対処法

はじめに

統合失調症は、男性では10代後半、女性では20代半ばから30代前半に発症することが多く、男女ともに約1%(100人に1人)の割合で見られます。近親者に統合失調症の患者がいる場合、発症率は約10%に上りますが、全患者の約60%は遺伝的要因が関与していません。

統合失調症の理解と対処法

1. 何と戦っているかを知る

統合失調症は、ギリシャ語の「schizo」(分裂)と「phrene」(精神)に由来し、脳内の化学的・電気的な異常が神経回路を乱し、思考・聴覚・視覚などの機能に影響を及ぼす障害です。患者はこれらの異常を実際に起きていると感じますが、客観的には存在しません。

2. 早期警戒サインを知る

睡眠障害、集中力低下、不適切または異常な感情反応、過活動が初期サインです。急な過敏性、被害妄想、敵意、外見や衛生に対する無関心も警戒すべきサインです。

3. 正確な早期診断を受ける

医師と精神科医・心理士が協働して診断を行います。診断には病歴聴取、身体検査、精神状態評価、血液検査、脳波(EEG)、CT・MRI、嗅覚検査、うつ状態や自殺リスクの評価などが含まれます。すべての項目が揃う必要はありませんが、少なくとも6か月以上の機能低下が基準となります。

4. 誤解を捨てる

統合失調症は多重人格障害と混同されがちですが、これは全く別の稀な障害です。統合失調症患者は思考が断片化し、現実と知覚の区別がつきにくくなりますが、別人格になることはありません。

5. 偏った前提を止める

統合失調症と犯罪的暴力が結びつけられることがありますが、すべての患者が暴力的になるわけではありません。暴力は現実感覚の崩壊や妄想による場合がありますが、多くはそうではありません。また、統合失調症は珍しい病と誤解されがちですが、米国では約100人に1人の頻度で発症します。

6. 期待すべきことを知る

適切な医療と薬物治療により多くの患者は症状が軽減しますが、症状の種類を理解しておく必要があります。統合失調症の症状は、陽性症状(幻覚、妄想、思考の断片化など)と陰性症状(感情表出の減少、意欲低下、社会的引きこもりなど)に分かれます。

7. 病気の中の本人を理解する

患者が語る内容や行動は、本人にとっては真実です。意思の弱さや知性の欠如ではなく、脳内の化学的・電気的な誤作動が原因です。唯一有効なのは、適切な医学的・精神科的ケアです。

8. 症状の仕組みを知る

妄想は自分や周囲に関する誤った信念で、シリアル箱に暗号がある、ナポレオンやイエスだと信じる、地球が自分の指示で変動する、FBIの秘密指揮官だと考えるなどがあります。幻覚は実際には存在しない感覚経験で、聴覚(声が聞こえる)、嗅覚、視覚、触覚の形で現れます。

9. 患者の認知状態を理解する

思考が乱れ、断片化するため、質問に意味不明な答えを返したり、無意味に話し続けることがあります。行動面では揺れ動く、歩き回る、文脈に合わない動作などが見られ、日常生活の基本的な動作(洗顔、食事、着替え)ができなくなることもあります。

10. 陰性症状とは

感情表出の減少(表情や声の抑揚、アイコンタクトが乏しい)、意欲低下(社会的引きこもり)、カタトニア(環境認識の欠如、無意味な四肢の動きや異常姿勢、長時間の凝視)、無言症(会話の途切れや流暢さの喪失)などがあります。

11. 最適な治療は薬物療法から

治療は薬物療法が中心で、適切な薬剤と用量を見つけるまで試行錯誤が必要です。適切な薬が見つかると約70%の患者が大幅に改善します(薬は陽性症状のコントロールに優れ、陰性症状は限定的)。併用療法として栄養補助、サポートグループ、認知行動療法、日中リハビリ、重症例ではECT(電気痙攣療法)があります。

12. 症状と服薬を日誌に記録する

患者や介護者は服薬内容・用量、症状、薬の副作用、行動変化を日誌に記録すると、医師が最適な治療を迅速に見つけやすくなります。抗精神病薬は効果が十分に現れるまで数か月要することがあります。症状は徐々に軽減し、完全に症状がなくなることは稀ですが、危害がない程度に抑えられれば十分です。

13. 現実的な目標を設定する

患者は倦怠感や睡眠欲求の増加を感じることがあります。回復は時間がかかり、忍耐が必要です。患者が社会復帰できるよう、無理のないペースで支援し、過度なストレスは症状を悪化させます。

14. 大局を見渡す

統合失調症は生涯にわたって管理が必要ですが、薬物療法と支援、各種治療により、多くの患者が充実した生活を送ることが可能です。

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