アルコール依存症は病気か? 歴史と議論の全体像

議論の歴史

1950年代、米国精神医学会(APA)と米国医師会(AMA)はアルコール依存症を疾病として認定しました。この動きはE.M.ジェリンケの研究を後押しし、1961年に彼は「アルコール疾病概念」を提示し、世界的に支持を得ました。その後、1980年代に遺伝子研究が始まり、現在も続いています。

ジェリンケのデータ

ジェリンケは1961年、アルコール依存症匿名組織(AA)の会合で配布したアンケートを元に疾病説を構築しました。回収した158件のうち、回答が偏っていると判断した60件と、女性からの回答を除外し、最終的に分析に使用したのは残りの一部でした。このデータ選別は批判の対象となっています。

遺伝的関連性

1980年代の研究では、ヘロイン代謝時に生成される刺激物質THIQがアルコール代謝でも生成され、長時間体内に残ることで渇望を引き起こす可能性が指摘されました。現在の遺伝子研究は、セロトニンやドーパミンといった神経伝達物質の欠乏や異常に焦点を当てており、これらの機能障害がアルコール依存症患者に頻繁に見られることが示されています。

現在の議論

AMAや米国人口の約90%はアルコール依存症を疾病と認めていますが、一部の立場は「選択の問題」だと主張します。彼らは意志力が唯一の治療法であり、依存は本人の選択であると論じますが、科学的根拠は乏しく、主に他者の研究結果への批判に依存しています。

理論への反対意見

スタントン・ピールやハーバート・フィンガレットらは、ジェリンケのデータが方法論的に不十分であること、APAやAMAが資本主義的利益のために疾病説を推進している可能性を指摘します。彼らはアルコール依存症は一次的な疾病ではなく、しばしば他の心理的問題の二次的結果であり、本人の選択で解決できると主張しています。

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