対立性挑戦性障害(ODD)の原因と治療法
定義
対立性挑戦性障害(Oppositional Defiant Disorder, ODD)は、主に8歳までに診断されることが多いが、思春期までに見つかることもある。怒りや敵意のある行動が、通常の反抗期を超えて持続的に現れ、6か月以上続くことが診断基準となる。
主な症状
大人や権威者に対して口論し、指示や規則に対して積極的に反抗する。怒りっぽく、すぐに不機嫌になるほか、恨みや復讐心が強い。自分の過ちを他者のせいにし、家族内の摩擦や友人関係の悪化、学校での教師との衝突や身体的攻撃にまで発展することがある。
発達的要因
発達理論によれば、ODDの子どもは感情・心理的発達の重要な段階を十分に経ていないとされる。年齢が上がるにつれ求められる期待が高まるが、対処能力が2歳児レベルに留まってしまうことがある。
生物学的要因
近年、生物学的要因の研究が進んでいる。2007年の米国小児・思春期精神医学会(AACAP)は、十分な対照臨床試験が不足していると指摘したが、2008年4月にBMC Psychiatryに掲載された研究は脳内化学物質とODD、遺伝的関連を示した。さらに、2009年2月のJournal of Abnormal Child Psychologyに掲載された南カリフォルニア大学の研究は、遺伝的影響が十分に強く、さらなる研究の必要性を示唆している。
心理的要因
AACAPの情報によれば、脳画像研究で「判断・衝動制御に関わる部位に微細な差」が認められている。心理学的研究では、ODDの子どもは同年代の社会的合図を正しく認識できず、相手の意図を誤解しがちである。子どもの気質そのものも、ストレスや社会化への対処能力に影響すると考えられる。
環境的要因
バージニア大学医療システムの情報では、否定的な行動は子どもの環境から学習される可能性がある。AACAPは「構造の欠如や親の監督不足、一貫性のないしつけ、虐待や地域の暴力への曝露」もODDの発症に寄与すると指摘している。
治療法
ODDの治療は主に心理療法とトレーニングに焦点を当てる。ADHDなどの基礎疾患や攻撃性・不安に対して薬物が併用されることもあるが、薬は主たる治療ではない。効果的な療法として、親トレーニング、個別・家族療法、認知行動療法、ソーシャルスキルトレーニングがある。治療は数か月から数年にわたり、家族全員の継続的な取り組みが不可欠である。
