認知症の兆候と症状
認知症の概要
認知症は、病気や外傷によって記憶力が徐々に低下し、認知機能全般が衰える状態を指します。初期の症状は非常に曖昧で、普通の加齢と勘違いされがちです。進行すると、思考・記憶・判断力が失われ、日常生活が困難になります。
主な兆候(認知症の識別)
- 約束や最近の出来事を忘れる記憶障害
- 物の置き場所が思い出せない
- 慣れた作業ができなくなる
- 言葉が出にくく、簡単な単語さえ思い出せない
- 興味や意欲の低下
- 判断力や意思決定の困難
- 感情が乏しくなり、孤立する
- 攻撃性、幻覚、抑うつ、睡眠障害、徘徊、妄想などの神経精神症状
- 進行した段階では会話ができなくなり、排泄管理ができなくなるため、24時間の介護が必要になる
認知症のタイプ
認知症は大きく「皮質性認知症」と「皮質下認知症」に分けられます。
皮質性認知症
大脳皮質(脳の外層)に障害が起こり、記憶や言語などの認知機能が低下します。代表的な疾患はアルツハイマー病、クロイツフェルト・ヤコブ病、血管性認知症です。
皮質下認知症
皮質以外の部位が障害され、記憶や言語障害は少ないものの、性格変化や注意力の低下、反応遅延が顕著です。代表的な疾患はパーキンソン病、ハンチントン病、AIDS認知症複合体です。
罹患数とリスク
- 世界で約2400万人が認知症を患っています。
- 米国だけでも約450万人がアルツハイマー病と診断されています。
- 65歳以上の人のアルツハイマー病罹患率は約10%、85歳以上では約50%です。
経済的・社会的影響
- アルツハイマー病と診断された人は、平均であと8〜9年の余命が見込まれます。
- 米国におけるアルツハイマー病だけの年間医療費は約1,000億ドルに達しています。
- 患者1人あたりの年間介護費用は、病状の重症度により3万ドル~6.5万ドルと大きく変わります。
専門家の見解
近年、特にアルツハイマー病の病態解明が進み、治療は心血管疾患と同様に複数の治療標的を狙う多面的アプローチが期待されています。
