診断関連グループ(DRG)が導入されるきっかけは何だったのか

医療費高騰の背景

1970年代から1980年代初頭にかけて、米国の医療費は急速に上昇しました。保険加入者の増加や新技術の普及、全体的なインフレなどが主な要因です。

従来のフィー・フォー・サービスの課題

当時の主な支払い方式は、医療機関が提供した各サービスごとに請求する「フィー・フォー・サービス」でした。この仕組みは、必要性に関わらずサービス提供を増やすインセンティブとなり、医療費を押し上げました。

メディケアの影響

65歳以上を対象とした連邦保険プログラム「メディケア」も医療費上昇に拍車をかけました。メディケアは「合理的費用」=実費+適正利益という基準で医療機関に支払いを行っており、医療機関は高額な費用をそのまま保険側に転嫁できました。

診断関連グループ(DRG)の誕生

こうした状況を受け、研究者や政策立案者は費用効率を高める新たな支払い方式を模索しました。その結果生まれたのが「診断関連グループ(DRG)」です。

DRGは、患者の診断や治療内容に基づいて患者をカテゴリー化し、各カテゴリーごとに固定額の支払いを設定する制度です。実際にかかった費用に関わらず、平均的な治療コストに基づく支払いが行われます。

DRGの導入と拡大

DRGは1982年にニュージャージー州で病院報酬実験として初めて導入され、医療の質を損なうことなく費用抑制が可能であることが示されました。その成功を受け、メディケアをはじめとする米国全体の保険者が徐々に採用しました。

1980年代後半までに、DRGはメディケア患者の病院報酬の主要方式となり、メディケア支出の増加率を鈍化させ、病院に効率的かつ効果的な医療提供を促すインセンティブを提供しました。

メンタルヘルス(一般) - 関連記事