動機付け面接(Motivational Interviewing)とは
動機付け面接(Motivational Interviewing)は、依存症や生活習慣のリスク行動に悩む人々を対象とした、クライアント中心の心理療法です。説得や指示ではなく、質問を通じて本人が変化への動機を見つけられるよう支援します。
変化の段階
- 無意識期(Pre-contemplation):変化の必要性を認識しておらず、改善の意志がない。
- 熟考期(Contemplation):変化の可能性や困難さを考え始める。
- 決意期(Determination):変化することを決意し、具体的な目標を設定する。
- 行動期(Action):実際に行動を起こし、変化のプロセスを開始する。
- 維持期(Maintenance):新しい行動を継続し、再発防止に努める。
- 再発期(Relapse):旧来の行動に戻ることがあり、再びサイクルが始まる。
動機付け面接の特徴
- セラピストはクライアントを指導せず、質問で現状と目標のギャップを自覚させる。
- 共感的に傾聴し、クライアントの語るストーリーを尊重する。
- クライアント自身が変化の動機を見つけることを最優先とする。
動機付け面接の仕組み
- 「現状と理想のギャップ」を明らかにし、変化の必要性を自覚させる。
- 代替行動や期待できる結果を具体的に探らせ、自己効力感を高める。
- 外部からの圧力ではなく、内発的な動機付けを引き出す。
対象となる人
- アルコールや薬物依存などの依存症患者。
- 過食、喫煙などの不健康な生活習慣を持つ人。
- 糖尿病や心血管疾患など、行動変容が治療に重要な病気を抱える人。
有効性
- 治療開始時に実施すると最も効果的で、カウンセリングや12ステッププログラムと併用されることが多い。
- 米国ジャーナル・オン・アディクションの研究では、動機付け面接を受けた薬物使用者の治療継続率が有意に高かった。
- 同様に、ヘロイン使用者を対象とした『Substance Use and Misuse』の研究でも、面接群の治療保持率が向上したことが報告されている。
動機付け面接は、クライアント自身の内なる動機を引き出すことで、長期的な行動変容を支援する有力な手法です。
