緊急派遣プロトコル(医療緊急通報対応ガイド)
米国道路交通安全局(NHTSA)は、研修生向けに緊急派遣プロトコルをまとめたガイドを作成しました。このプロトコルは、緊急医療ディスパッチャー(EMD)が電話での医療状況を把握し、適切な指示を行うための手順を示しています。EMDは「時間・生命に関わる緊急事象(Time/Life Critical Events)」として7つのケースを定義し、即座に対応が必要です。
一酸化炭素吸入
一酸化炭素(CO)は無色・無臭のガスで、吸入に関する通報の最も多い原因です。可能であれば、患者の意識状態と漏れ源を確認してください。主な症状は頭痛・吐き気です。その他のガス漏れは呼吸困難・目や皮膚の灼熱感・嘔吐を引き起こすことがあります。通報者には、被害者をガス源から離れた屋外へ移動させ、気道を確保するよう指示します。被害者は枕なしで仰向けに静かに横たえ、暖かく快適に保ちますが、飲食は与えないでください。状態が変化したら再度連絡を求めます。
心停止
心停止は心臓が血液を送り出さなくなる状態です。呼吸が止まり意識がない人は、心停止とみなします。無効呼吸(断続的で弱い呼吸)が見られることがあります。「重い」「はぁはぁ」「いびき」のような表現に注意してください。まず気道閉塞と脈拍を確認し、心肺蘇生(CPR)を開始します。正しい早期のCPRは生存率を高めます。小児の場合は脈拍が取りにくいため、まず人工呼吸に重点を置きます。
窒息
窒息は救急車が到着する前に対応が必要です。通報者には手順を口頭で指示します。完全閉塞は呼吸・会話・咳ができず、1〜2分で意識が失われます。被害者が枕で頭を支えていたり、咳ができる場合は背部叩打や腹部突き上げは行わないでください。腹部突き上げは、被害者の背後に立ち、胸郭下部に拳を当てて素早く上下に押し上げます。乳児の場合は、まず背部叩打5回、続いて胸部圧迫を行い、頭を下向きに支えます。異物が肺に入っていないか、救助後に必ず確認してください。
溺水
水中で呼吸できている場合は、気道確保をしながら救助者が到着するまで支援します。意識不明の場合は、心停止の有無を確認し、必要ならばCPRを開始します。四肢の感覚消失や動かない場合は脊髄損傷の可能性があるため、無理に動かさないでください。主な症状は咳、皮膚の変色、嘔吐、意識消失です。できるだけ早く体温を保ち、衣服を交換できれば交換し、状態変化があればすぐに連絡してください。
感電
感電後はまず現場の安全確認と周囲の人・救助者への注意喚起が重要です。感電源や帯電した水から離れるよう指示してください。落下や心停止、内部やけどのリスクがあるため、脊椎保護とCPRを速やかに検討します。気道を確保し、患者は仰向けに安静にさせます。警察と消防へ速やかに通報してください。
分娩・妊娠合併症
妊娠初期・中期の合併症は、女性を落ち着かせ、暖かく快適に保つことが基本です。飲食は与えないでください。妊娠末期で「5分以内に陣痛が続く」または「初産婦で2分以内に陣痛が来る」場合は、分娩が迫っていると判断します。胎児の一部が見えている、または母体が出産の衝動を感じる場合は、出産を遅らせようと脚を閉じないよう指示し、深呼吸で出産衝動を抑えるよう助言します。ベッドがあれば半座位にし、腰から下は裸にさせ、必要な薬剤は医師到着時に伝えます。
失神
単発の失神は複数回や長時間の意識消失ほど深刻ではありませんが、糖尿病やてんかんの既往があるか確認してください。脳卒中、心停止、過剰摂取、毒物、アルコール、頭部外傷、低酸素、ショック、心律不整などが原因となります。小児の場合は怒りからの息止めや急激なショックが原因になることがあります。まず気道を確保し、嘔吐がある場合は側臥位にし、そうでなければ仰向けに安静にさせます。
