患者輸送プロトコルの概要と実践手順
輸送の必要性
患者が救急車で搬送されるかどうかは、まず搬送の必要性を判断することから始まります。プロトコルには、救急搬送が適用される具体的な理由(症状の悪化、外傷、医療的必然性など)が列挙されています。医療的必然性とは、酸素投与が必要、身体機能が著しく低下している、座位が安全に保てない、医療監視が不可欠といった状況です。現場に到着した EMS(救急医療サービス)クルーは、患者評価を通じて現在の状態・症状・治療の必要性を確認し、プロトコルに合致すれば搬送を決定します。
患者の安全確保
搬送が必要と判断された後は、患者を安全に輸送できるかどうかを検討します。患者の体格・状態・人数が判断材料となります。たとえば、体重が500ポンド(約227kg)を超える肥大型患者には、専用のベッド、マットレス、固定ベルトが必要です。プロトコルには、肥大型患者の最大重量限界と使用機材の手順を明記すべきです。
また、一度に搬送できる患者数は原則2名までとし、必要に応じて添乗員の人数も規定します。重症度の高い患者を優先的に搬送するため、トリアージ基準もプロトコルに含めます。例として、胸痛や呼吸困難を訴える患者は、骨折だけの患者より先に搬送されます。
目的地の選択
搬送先の選定もプロトコルに明記します。小児専門病院、火傷センター、外傷センターなど、特定の診療領域に特化した施設のリストと、各施設へ搬送すべき条件を示します。例えば、交通事故による外傷患者は地域の外傷センターへ、重篤な小児患者は小児病院へ搬送します。なお、受け入れ体制が整っていない施設へは搬送しない旨も記載しておくことが重要です。
