バイオ燃料の効果と課題
バイオ燃料はバイオマスから得られるエネルギーです。バイオマスとは、生きている、または最近生きていた有機体から得られる再生可能なエネルギー源です。古代から木材や藁などが燃料として利用されてきましたが、近代のバイオ燃料は多様な用途とそれに伴う様々な影響を持っています。
食用作物価格の上昇
米国国立科学アカデミーによると、米国のバイオ燃料の主な原料はトウモロコシから作られるエタノールです。トウモロコシの糖分がエタノールに変換されます。他にも、ソルガム、大豆、植物油、動物性脂肪、糞尿、下水、藻類などが原料として利用されています。バイオディーゼル用のトウモロコシ需要が高まると、トウモロコシ価格が上昇し、家畜飼料の原料価格にも波及します。飼料メーカーは価格上昇分を農家に転嫁し、農家はさらに消費者へと価格を押し上げるという連鎖が生じます。
生物多様性の制限
米国国際開発庁(USAID)は、バイオディーゼル用作物の需要増加に伴い、単一作物栽培が拡大していると指摘しています。ブラジルや米国、東南アジアでは、湿地、草原、熱帯雨林、サバンナが食料作物ベースのバイオ燃料生産用に転用され、在来植物が減少しています。同じ作物が大規模に栽培されることで、生態系の多様性が損なわれ、他の重要な飼料作物の生産が減少しています。米国農務省のデータでは、2016年の全国耕作面積増加の約3/4がトウモロコシによるものと推計されています。
温室効果ガス
バイオ燃料と温室効果ガス排出の関係は一概に言えません。バイオ燃料用作物は成長過程で二酸化炭素を吸収し、温室効果ガスの削減に寄与します。しかし、原料の輸送、精製工程、燃料使用時の排出がこれらの効果を相殺し、全体としての削減効果は限定的です。
エネルギー自給
バイオ燃料の生産は、米国の外国産化石燃料への依存を低減させました。国際的な原油価格の高騰や政治的リスクを考慮すると、エネルギー自給は重要な利点です。また、バイオディーゼルは再生可能エネルギーであり、化石燃料が枯渇する将来に向けて持続可能な選択肢となります。
