ラドン削減の具体的な方法とポイント
EPA(米国環境保護庁)は、室内ラドン濃度がリットルあたり4ピコキュリー(pCi/L)を超える場合は減圧が必要としています。ラドンは基礎部や井戸水から住宅に侵入する放射性ガスで、適切な対策を行えば最大99%まで濃度を低減できます。
対策の選択は、測定されたラドン濃度、住宅の規模、基礎の構造、予算などによって異なります。住宅によっては複数の基礎タイプが混在していることもあるため、複数の削減方法を組み合わせることが必要になる場合があります。
地下室・スラブ型住宅(Basement and Slab‑On‑Grade)
これらの住宅では「土壌吸引(soil suction)」方式が主に用いられます。地下やスラブ下のラドンを吸い出し、外部へ排出して希釈する仕組みです。代表的な手法は以下の通りです。
ブロック壁吸引
空洞ブロック基礎の場合、ブロック壁内部の圧力を低下させてラドンを除去します。多くはサブスラブ吸引と併用されます。
ドレインタイル吸引
基礎下に設置された排水パイプ(ドレインタイル)に吸引装置を接続し、ラドンを引き込む方法です。
サムプホール吸引
浸水防止用のサムプポンプが設置されている場合、その井戸口をキャップし、吸引パイプを差し込んでラドンを排出します。
サブスラブ吸引
サブスラブ吸引は「能動型」と「受動型」に分かれます。EPAは能動型(ファン付きの減圧システム)を最も信頼性が高いと評価しています。パイプはスラブを貫通し、砕石層や土壌に設置。ファンがラドンを外部へ送り出すと同時に、スラブ下に負圧を作り出します。受動型は自然換気と圧力差を利用してラドンを排出します。
クロールスペース住宅(Crawlspace Homes)
クロールスペースがある住宅では、以下の方法が一般的です。
サブメンブレン吸引
土壌面に厚手のビニールシートを敷き、シート下に吸引パイプとファンを設置してラドンを外部へ排出します。
能動型クロールスペース減圧
ファンでクロールスペースの空気を直接外部へ排出しますが、サブメンブレン吸引に比べ効果は低いとされています。また、燃焼機器からの逆流や配管の凍結防止対策が必要です。
その他のラドン削減手段
- 熱回収換気(HRV)や空気熱交換器を利用し、外気を取り入れて室内圧を上げる。
- 部屋単位や全館の加圧ファンでラドンの侵入を防止(維持が難しい)。
- 下層階の窓や換気口を開放して一時的に濃度を下げる。
- 基礎の亀裂や隙間をシーリングしてラドンの流入経路を遮断する(見つけにくい場合も)。
水中ラドンの対策
水道水に含まれるラドンは、シャワーや家事で空気中に放出され、吸入リスクを高めます。自治体の水道事業者にラドン処理の有無を確認し、私設井戸の場合は以下の処理を検討してください。
ポイント・オブ・エントリー(POE)方式
全家庭の水道入口にエアレーション装置、フィルター、または顆粒活性炭を設置し、ラドンを除去します。タップから出る水はラドンが低減されますが、家庭内のすべての水源からの放出を完全に防げるわけではありません。
ポイント・オブ・ユース(POU)方式
使用箇所(シャワーヘッドや蛇口)に小型の除去装置を取り付ける方法です。
以上の対策を組み合わせることで、住宅内のラドン濃度を安全なレベルに抑えることが可能です。
