家庭用塩素系漂白剤が廃水に与える影響

家庭用漂白剤は約5%の塩素を含み、カビ除去や様々な表面の清掃に使用されます。米国環境保護庁(EPA)は、廃水処理における塩素濃度を規制しており、飲料水の消毒にも低濃度の塩素が利用されています。しかし、廃水や地下水に流入した塩素は他の化学物質と反応し、飲料水へ逆流する可能性があり、人・動物の健康や環境に有害な影響を及ぼすことがあります。

人間の健康への影響

塩素を含む漂白剤を誤って摂取すると、嘔吐、胸痛、呼吸困難などの急性症状がすぐに現れます。長期的には胃腸粘膜の損傷や腐食性組織障害が起こり得ます。これらは漂白剤の強い腐食性が原因です。

動物の健康への影響

EPAは、少量でも水や土壌に生息する生物に有害としています。直接的な摂取に関する研究は少ないものの、吸入による影響は複数の実験で確認されています。

  • Clayton & Clayton(1981‑1982)の研究では、15日から193日間の塩素吸入により、肺気腫や肺炎、細気管支炎が認められました。
  • Kutzman(1983)では、塩素に曝露したラットの気管上皮が繊毛を失い、上皮細胞が損傷しました。
  • Wolf ら(1995)の2年間の長期曝露実験では、ラットとマウスに呼吸器・鼻腔病変、血液の隔壁穿孔、そして扁平上皮化生に伴う生殖系腫瘍が観察されました。

これらの結果は、呼吸器、免疫系、心血管系への慢性的な影響を示唆しています。

環境への影響

塩素は自然水に流入すると、無機物と結合して塩化物塩、また有機物と結合して塩素有機化合物を生成します。これらは酸性雨の原因となり得ます。また、植物の葉を漂白し、茶色く変色させます。回復する種もありますが、成長が阻害される種も多いです。

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