PCB(ポリ塩化ビフェニル)の健康への影響

ポリ塩化ビフェニル(PCBs)は、人工的に合成された有機化合物の一群であり、1979年に米国環境保護庁(EPA)により使用が禁止されました。しかし、分解が極めて遅く、世界中の環境中に残留しています。また、廃棄物処理の不備や危険廃棄物敷地からの漏出により、追加的に放出されることもあります。人がPCBsに曝露すると、主要な身体システムにわたるさまざまな健康障害を引き起こす可能性があります。

がん

  • PCBsは動物実験で発がん性が確認されており、EPAは「ヒトに対する可能性の高い発がん性物質」と位置付けています。国際がん研究機関(IARC)や米国国立毒性プログラム(NTP)なども同様の評価を行っています。PCB曝露と関連が指摘されているがんには、肝臓がん、メラノーマ(皮膚がん)、脳腫瘍、乳がんなどがあります。ヒトにおける研究はサンプル数が限られることが多いものの、リスクは一貫して上昇していると報告されています。

神経系への影響

  • PCBsは学習能力低下、短期記憶障害、視覚認識の問題など、神経機能障害と関連しています。EPAの報告によれば、母乳中に検出されるPCB濃度と同等のレベルで実験された動物でも、ヒトと同様の神経障害が観察されています。

免疫系の機能低下

  • 免疫系は感染症や病原体に対する防御の要です。サルや他の動物を用いた研究では、PCB曝露により感染抵抗力が低下し、胸腺の縮小や全体的な免疫応答の減少が確認されています。さらに、PCBsはエプスタイン・バールウイルスに対する抵抗力を低下させ、非ホジキンリンパ腫のリスクを高める可能性があります。

内分泌攪乱(ホルモン乱れ)

  • 内分泌系は体内のホルモン産生と調節を司ります。EPAはPCBsが特に甲状腺機能を阻害し、正常なホルモンバランスを乱すことを強く示唆しています。2006年6月に発表されたEnvironmental Health Perspectivesの報告では、シナイ医学大学の研究でマウスにPCBを投与した結果、甲状腺機能が直接的に阻害されたことが示されています。甲状腺ホルモンの低下は成長・発達に深刻な影響を及ぼします。

生殖系への影響

  • PCB曝露は生殖機能にも悪影響を及ぼします。シナイ医学大学の研究では、マウスの生殖器官の発達異常が報告されています。ヒトにおいては、低出生体重や妊娠期間の短縮が確認されています。動物実験では、精子数の減少、出生率の低下、受胎率の低下などが観察されています。

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