子どもの高アンモニア血中濃度と関連疾患
概要
子どもの血中アンモニア濃度が高いと、深刻な基礎疾患が隠れている可能性があります。意識レベルの低下や急性の症状が見られる場合、医師はアンモニア測定の血液検査を指示することがあります。
鑑別ポイント
- 代謝・排泄の障害:アンモニアはタンパク質代謝の副産物で、通常は肝臓で尿素に変換され、腎臓から排泄されます。代謝や排泄がうまくいかないと血中濃度が上昇します。乳児では一過性の上昇が見られることがありますが、症状が出る場合は肝臓や腎臓の機能障害が疑われます。
- 肝疾患:肝機能が低下するとアンモニアの処理が遅れ、血中濃度が上がります。肝炎や先天性肝疾患が疑われるとき、アンモニア測定は他の肝機能検査と併せて行われます。
- レイ症候群:ウイルス感染(水痘やインフルエンザなど)に続いて起こる稀な疾患で、嘔吐、錯乱、痙攣、意識消失、性格変化などを伴います。レイ症候群ではアンモニアが上昇し、脳症の原因となります。
- 溶血性疾患(新生児溶血性貧血):赤血球が急速に破壊されると、ヘモグロビン分解産物が増え、アンモニアが上昇します。黄疸やビリルビンの増加も見られます。
- 急性・慢性の全身疾患:重篤な感染症や代謝障害などでもアンモニアが増加します。症状に応じて血中アンモニア濃度を測定し、原因疾患の評価に役立てます。
診断と対策
血中アンモニア濃度が基準値(成人で約15〜45 µmol/L、子どもでは年齢により差あり)を超えると、速やかな原因探索と治療が必要です。肝機能・腎機能の評価、感染症の有無、代謝障害のチェックなどが行われます。適切な治療が遅れると脳症や致命的な合併症につながるため、早期発見が重要です。
