大気汚染の測定サンプリング手法
受動サンプリング (Passive Sampling)
受動サンプリングは、数週間から数か月にわたる大気中の汚染濃度の概況を把握する手法です。主に主要道路や発電所付近で二酸化窒素やベンゼンの濃度を測定します。空気の自然流れだけで試料管に採取されるため、測定装置は現場に設置したままにし、期間終了後に管の両端をキャップで閉じて実験室で分析します。直接的な汚染源の特定には向きませんが、平均的な汚染レベルの把握に有用です。
能動サンプリング (Active Sampling)
能動サンプリングは受動サンプリングと同様の目的ですが、ポンプで空気を強制的にフィルターや化学溶液に通します。一定の流量・時間で空気を通過させることで、試料中の汚染物質量を定量的に算出できます。サンプラーのカートリッジを交換すれば、対象とする汚染物質を日単位で切り替えて測定可能です。
自動サンプリング (Automatic Sampling)
自動サンプリングは工場の煙突など、単一ポイントの排出ガスを高分解能で測定する装置です。分光法やガス分析をリアルタイムで行い、ベンゼン、一酸化炭素、オゾン、二酸化硫黄、窒素酸化物などを正確に測定します。装置は厳格な較正と運用手順が必要で、得られたデータは地域の環境機関へ送られ、基準評価に活用されます。
光学分析装置 (Optical Analysers)
光源から発せられた光ビームを検出器で受光し、光の波長変化から大気中の分子種と濃度を判定します。分子は特有の波長で光を吸収するため、その吸収差から汚染物質を定量できます。代表的な手法に、長距離測定が可能な差分光吸収分光法(DOAS)があります。既知の吸収特性が分かっている汚染物質については、リアルタイムで濃度測定が可能です。
