ストロンチウム‑90の効果と影響

歴史

1950年代、米国で行われた核実験の放射性生成物が調査され始めました。熱核兵器の爆発により、放射性物質を含む粉塵が成層圏へ上昇し、やがて降下して雨となって地表に降り注ぎました。ストロンチウム‑90はカルシウムと化学的に類似しているため、植物が雨水から取り込み、牛がその植物を食べ、牛乳を通じて人間に取り込まれました。この事実が明らかになると、リンウス・ポーリングら科学者は米ソ両国の大気核実験に懸念を示しました。

影響

カルシウムと同様に、ストロンチウム‑90は体内で骨に蓄積します。半減期は約29.1年で、長期間にわたり放射線を放出し続け、骨がんや白血病のリスクを高めます。

重要性

ストロンチウム‑90を含む核降下物の危険性が広く認識されると、米国とソ連は大気核実験の中止を迫られました。1963年に両国は大気核実験禁止条約に署名し、以後ストロンチウム‑90の環境濃度は低下し、がんリスクも減少しました。

警告

大気核実験はほとんどの国で禁止されていますが、原子力発電所からの放出や事故によりストロンチウム‑90に曝露するリスクは残ります。チェルノブイリ事故(1986年)などでは、近隣住民の歯や骨にストロンチウム‑90が検出されています。

考慮すべき点

ストロンチウム‑90は医療や科学の分野で有用です。血流測定のトレーサーや眼・骨のがん治療に利用され、放射性崩壊熱を利用した電源として、遠隔地の航海灯や気象観測所などで活用されています。

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