新薬はどのような試験を受けるのか?
新薬が市場に出るまでには、膨大な時間と資金を要する一連の試験が行われます。国ごとに規制は異なりますが、米国食品医薬品局(FDA)は、薬が処方・販売できるようになるまでに必要な試験の代表例です。これらの試験は高コストであるため、毎年新薬が上市される数は限られています。
前臨床研究段階(Pre‑Clinical Research Stage)
この段階では、薬剤の精製・合成を行い、医薬品として十分に効果的になるまで品質を高めます。その後、組織サンプルや動物を用いた様々な科学的テストを実施し、薬の安全性と有効性を評価します。独立した科学者から構成される審査委員会が結果を審査し、FDAへヒトでの限定的な試験開始が安全かどうかを報告します。
第Ⅰ相試験(Phase 1 Testing)
ヒトでの最初の試験です。薬の代謝経路や生体内動態、明らかな副作用など、基本的な安全性と薬理作用を確認します。効果が期待できるかどうかの初期評価も行われます。リスクを最小限に抑えるため、対象者は100名未満の健康なボランティアが中心です。
第Ⅱ相試験(Phase 2 Testing)
第Ⅰ相の結果がFDAに承認された後に実施します。対象疾患に対する薬の効果と、一般的な副作用を詳しく評価します。対象者は数百名規模で、治療効果の有無や投与量の最適化を目指します。第Ⅱ相の結果もFDAの承認が必要で、次の第Ⅲ相へ進む前提となります。
第Ⅲ相試験(Phase 3 Testing)
第Ⅰ相・第Ⅱ相が完了し承認された後に行われる最終段階です。数千名規模の被験者を対象に、薬の中長期的な安全性や稀な副作用、実際の臨床現場での有効性を検証します。この段階のデータが新薬承認申請(NDA)に使用され、承認されれば市場に出ることが可能になります。
